概要
愛媛大学が主導する共同研究チーム(東京大学、琉球大学)が、妊娠中の大豆摂取が生まれた子の多動問題と仲間関係問題に予防的であり、妊娠中の納豆及びイソフラボン摂取が子の多動問題に予防的であることを示す研究成果を世界で初めて発表し、令和3年4月1日に学術誌「International Journal of Food Sciences and Nutrition」の電子版に公表されました。
胎児期のイソフラボン曝露による子供の発達への影響については、議論が分かれており、良い影響を与えているという説と、悪い影響を与えているという説が存在します。これまで妊娠中の大豆、イソフラボン摂取と生まれた子の行動的問題との関連を調べた疫学研究はありません。
今回、妊娠中から母親と生まれた子を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用し、妊娠中の大豆、イソフラボン摂取と子の5歳時における行動的問題との関連を調べました。その結果、妊娠中の総大豆摂取は多動問題及び仲間関係問題のリスク低下と関連し、妊娠中の納豆、イソフラボン摂取は多動問題のリスク低下と関連を認めました。
今後、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、妊娠中の食習慣の変容により、子供の行動的問題を予防できる可能性を示す非常に関心の高い研究成果であるといえます。