プレスリリース

カンラン石の変形と結晶構造変化が誘起する深発地震

愛媛大学先端研究院地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)大学院生の松田光平さん(博士後期課程2年)、大内智博准教授と高輝度光科学研究センターの肥後祐司主幹研究員らの研究チームは、今まで不明だった深さ400~600 kmで発生する「深発地震」の発生原因の解明につながる実験に成功しました。本研究では、深発地震が発生する地下条件に相当する高温高圧下での地震発生モデル実験によって、カンラン石が変形する際に起きる“地震性”の結晶構造変化(新鉱物ポワリエライトへの変化)によって断層が形成され、深発地震の発生に至ることを明らかにしました。
本研究成果は、アメリカ科学振興協会(AAAS)が出版する科学雑誌「Science Advances」に4月9日に掲載されました。

研究成果のポイント
  • 「深発地震」は多大な被害を引き起こすこともあるが、その発生メカニズムはよくわかっていなかった。
  • 世界で初めて、深発地震が発生する深さ約580 kmまでの圧力(約20万気圧)条件下でマントル鉱物(カンラン石)が変形・破壊する様子を、X線その場観察と微小破壊に伴って発生する超音波(AE)の測定により捉えた。
  • この結果、カンラン石が変形する際に起きる、新鉱物ポワリエライトへの結晶構造変化で断層すべりが引き起こされ、深発地震発生に至ることがわかった。
  • 地球深部のプレートが激しい変形を被る場所ではカンラン石から新鉱物ポワリエライトへの「地震性の結晶構造変化」が起きやすいために、深発地震が頻発することが明らかとなった。
論文情報

掲載誌:Science Advances
題名:Faulting triggered by a quasi-diffusionless shear transition of olivine in deep subducted slabs
(和訳)カンラン石の準無拡散相転移によって起きる深部断層すべりを放射光その場観察実験によって再現
著者:Kohei Matsuda, Tomohiro Ohuchi, Sayako Inoué, Yuji Higo, Noriyoshi Tsujino, Sho Kakizawa, Takeshi Sakai
URL:https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adu5181

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学先端研究院地球深部ダイナミクス研究センター
大内 智博