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お知らせ

「愛媛大学・鹿児島大学 合同七夕講演会2021」を開催しました【7月10日(土)】

 日本天文学会では、平成21年から毎年、七夕の時期に「全国同時七夕講演会」と題して、全国各地で宇宙や天文学に親しんでもらうために講演会を開催しています。愛媛大学宇宙進化研究センターでも、この「全国同時七夕講演会」の一環として講演会を毎年開催しており、最新の研究を一般の方々へ分かりやすく伝える機会となっています(令和2年度は、コロナ禍のため未開催)。
 今年は、令和3年7月10日(土)に、当センター発足当初から教育と研究で連携している鹿児島大学と合同で「広くて深い銀河の世界」と題した講演会をオンラインで開催し、全国各地から100人以上の方の参加がありました。

 前半は、天の川銀河研究が専門の鹿児島大学理工学研究科の半田利弘教授が「深くて広い天の川の実像」というテーマで、可視光観測や電波観測、赤外線観測、X線観測などさまざまな観測手法を具体的に紹介しながら、見かけは浅い川のように見える天の川が円盤状で幅は約1000光年、深さは10万光年もあること、その中心は私たちが住んでいる太陽系から約3万年光年離れているなど天の川の実体について例えを交えながら分かりやすく説明しました。また、天の川銀河の中心にある巨体ブラックホールにも話は及び、さらに今後の研究の展望について話しました。

 後半は、遠方銀河の研究を行っている本学宇宙進化研究センターの久保真理子研究員が「広くて深いすばる望遠鏡遠方銀河探査」というタイトルで、宇宙に数多くある天の川銀河以外のいろいろな銀河の観測について紹介しました。より遠く天体を観ることで、より昔の銀河の姿が分かることや広視野観測の重要性について説明し、100億年以上も昔の天体からの微かな光を捉えることができるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ(Hyper Suprime-Cam:HSC)がどのように遠方銀河を探しているかを解説しました。また、日本が海外の研究チームと共に平成24年以降実施している近傍から遠方銀河に及ぶ広視野・高精度の観測計画や、自身が行っている銀河団の祖先(原始銀河団)に関する研究成果を美しい画像と共に紹介しました。

 質疑応答のコーナーでは、参加者から「天の川銀河以外にもブラックホールはあるのか?」、「ブラックホールは蒸発するのか?」といった質問が画面を通して寄せられるなど、講師らと交流する時間となりました。

 本学では、今後も宇宙や天文学の研究について、地域・一般の皆様に分かりやすくご紹介する講演会を開催してまいります。

 

<宇宙進化研究センター>