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宇宙進化研究センター講演会「ブラックホールの謎に迫る」を開催しました 【12月11日(土)】

 令和3年12月11日(土)、筑波大学計算科学研究センターの大須賀健教授を講師に迎え、宇宙進化研究センター講演会「ブラックホールの謎に迫る」を開催しました。オンライン(Zoomウェビナー)で実施し、下は小学生から高校生や大学生、上は70代まで、幅広い年代の約120人の参加者が、全国から参加しました。

 ブラックホールは星や銀河の形成や進化に影響を与えていることから、その研究が重要視されていますが、大須賀教授は理論的な立場から計算機シミュレーションを用いて、ブラックホールが作り出すさまざまな活動的な現象について解明する研究が専門です。講演の中で大須賀教授は、まず、ブラックホールが黒い理由や、その大きさは非常に小さく、仮に太陽と同じ質量のブラックホールが存在する場合、半径は約3キロメートルであることなど、基礎的な性質を紹介しました。
 続いて、その見つけ方の手法について、ブラックホールに渦巻状に吸い込まれるガスが落下しながら高速で運動し、摩擦が生じて高温になって放射される強力な光を見つけること、それを証明するために、ブラックホールに吸い込まれる物質の周りの領域を細かく分割してスーパーコンピュータで計算や解析を行うこととの説明がありました。さらに、ブラックホールに吸い込まれなかった一部のガスが超高速で噴き出すジェットの根本にブラックホールがあると考えられていることなどが、分かりやすい図やシミュレーション動画で示しながら解説されました。
 また、2019年に国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT:Event Horizon Telescope)」が世界で初めて成功させたブラックホールの撮影は、コンピュータシミュレーションの計算を元にした疑似観測結果と一致したことによってブラックホールと認められたことに触れ、理論と観測の両方の力によってブラックホール天文学が進んでいると話し、次なる撮影の展望についても話が及びました。

 恒例の質疑応答のコーナーでは、「ブラックホールが存在することで宇宙にメリットはあるのか?」「ブラックホールの個々の違いは特異点の重さの違いなのか?」など、画面を通して参加者から活発な質問があり、講師と交流する充実した時間となりました。
 終了後のアンケートでは、参加者から「一般の人にもわかりやすい言葉で、とても良かった」「宇宙のことが大好きな子供と聴講した。非常に面白かった」「ブラックホールに関する知識を整理することができた。力学や電磁気学など、現在学んでいるものを習得できるように今後も勉強に励みたいと思う」など、数多くの好評の声が寄せられました。

 本学では、今後も宇宙や天文学の研究について、地域・一般の皆様に分かりやすくご紹介する講演会を開催してまいります。

<宇宙進化研究センター>