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宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授が2021年度島津奨励賞を受賞し表彰されました【2月15日(日)】

 令和4年2年15日(日)、愛媛大学宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授が、公益財団法人島津科学技術振興財団の2021年度島津奨励賞を受賞し表彰されました。表彰式は、京都市にて執り行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため中止になり、賞状と盾が郵送で授与されました。

 島津奨励賞は、「科学技術、主として科学計測に係る領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において独創的成果をあげ、かつその研究の発展が期待される国内の研究機関に所属する45歳以下の研究者」を表彰するものです。

 松岡准教授は、最先端の宇宙観測によるブラックホールの研究で多くの実績を挙げ、これまでにも日本天文学会・研究奨励賞(2017年度)、科学技術分野の文部科学大臣表彰・若手科学者賞(2019年度)を受賞してきました。今回、日本天文学会の推薦を受けて、「大規模観測データの高度処理による最遠方宇宙でのブラックホール大量発見」の業績により島津奨励賞が送られることになりました。

 

 ブラックホールは、強い重力のために光すら逃げ出せない極限状態の天体です。宇宙には様々な重さのブラックホールがありますが、中でも太陽100万個以上に相当するような最重量の巨大ブラックホールは、いつ、どこで、どのように生まれるのか分かっていません。その答えを得るためには、ビッグバンからまもない初期宇宙を観測して幼少期の巨大ブラックホールを見つけ出し、詳しく調べる必要があります。天体観測では「遠くを見ることは過去を見ること(光の速さに限りがあるため)」なので、初期宇宙は地球から最遠方の彼方です。松岡准教授は国際共同チームを率い、ハワイのマウナケア山頂に設置されたすばる望遠鏡の最新鋭カメラを用いて、遠方ブラックホールの探索に取り組みました。このカメラは非常に強力で、過去5年余りに渡る探査観測によって、10億個近くの膨大な未知天体を捉えています。松岡准教授はビッグデータ・サイエンスの観点からこの観測データを詳細に処理・分析し、藁山の中から針を探し出すように、有力候補天体を抽出しました。さらにすばる望遠鏡などを使って大規模な追観測を実施し、100個以上の最遠方ブラックホールを発見することに成功しました。初期宇宙に人類が知るブラックホールのうち、半数近くは松岡准教授らが発見したものです。さまざまな重さや活動性を持つ多様な巨大ブラックホールが、誕生してまもない宇宙に大量に存在することが明らかにされ、現在も世界中の天文台や宇宙望遠鏡による活発な観測・調査の対象となっています。

 このように科学計測に本質的に関わる優れた業績であることが高く評価され今回の受賞に至りました。

 

参考Webサイト

2021年度島津奨励賞受賞者決定(公益財団法人 島津科学技術振興財団ホームページ)

 

<宇宙進化研究センター>