平成18年12月9日(土)医学部附属病院医療福祉支援センターが、愛媛大学グリーンホールにおいて、第6回えひめ医療連携セミナー「速やかな退院を拒むもの」を開催しました。
宇都宮温子副病院長(患者サービス担当)の挨拶の後、地域医療連携の分野での先進的な取り組みで知られる近森病院(高知市)医療相談室野村真紀室長による「ソーシャルワーカーの立場から」と題した基調講演を行いました。
野村室長は、医療制度改革により、在院日数の短縮化が促進され、病院の機能分化や医療そのものが担わなければならない役割が変化していることを、患者さまに解りやすい言葉で丁寧に説明し、理解してもらうことが患者さま自身の意志による退院につながること、そのためには、院内外の連携がとても重要になることを訴えました。
続いて「ターミナル期の患者支援」と題して、一井美哉子看護師長(医療福祉支援センター)の司会と坪田信三助手(麻酔科蘇生科)の助言のもと、浅井真由美訪問看護師(訪問看護ステーション愛媛)、中橋恒院長(松山ベテル病院)、島本憲司講師(泌尿器科)によるシンポジウムを行いました。シンポジウムでは、これまで一病院で完結してきた終末期医療を、地域関係医療機関等に移行させる方向で制度が整備されつつあるが、在宅ケアなど患者さまの意志による選択を保障するためには、訪問看護ステーションや在宅支援診療所の今後の活躍が期待されるとともに、専門医療機関における「緩和ケアチーム」の充実が急務であることについて、具体的な話し合いがありました。
このセミナーには医師、看護師、ソーシャルワーカーなど県内医療関係者を中心に約200人の参加者があり、終始熱のこもった意見交換が行われるなど、退院支援に関する理解を深めるセミナーとなりました。
附属病院では、このセミナーを通じてさらなる地域の医療連携ネットワークの構築を大学病院の使命として積極的に取り組んでいく所存です。
医学部学務課総務課総務チーム