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農学部土壌肥料学研究室の研究成果が朝日新聞で取り上げられました

 農学部附属農場の実験区では新しいレンコンの栽培技術である「浅床栽培法」に関する研究が実施されており、研究成果が平成26年11月21日(金)の朝日新聞地方面(愛媛)に掲載されました。
 レンコンは主にレンコン田で栽培され水稲よりも収益性の高い作物ですが、真冬に深さ60cm前後にあるレンコンを掘り出したり腰まで水に浸かりポンプを使って収穫したりするなど、収穫の際の労働が問題となっています。「浅床栽培法」では深さ10cm程度になるよう土を充填したプールを用いてレンコンを栽培するため、収穫が容易である他、大風でも茎が折れにくいなどのメリットがあるとされています。ところが新しい栽培方法のため、実際の収量や品質がどの程度なのかということが分かっていませんでした。そこで、浅床栽培法を用いたレンコンの栽培の収量・品質および土壌肥沃度に関する研究が農学部附属農場に設けた試験区で実施されました。
 実験の結果、浅床栽培法で栽培されたレンコンの収量は一般的な収量の2倍程度になることや、栽培に必要な水量も水稲の半分程度であることが分かりました。閉鎖系での栽培のため肥料成分の溶脱や灌漑水の地下浸透がない等の理由が考えられる一方で、カリウムなどは肥料として与えた以上にハスが吸収しており、この栽培方法による持続的なレンコン栽培にはハスの吸収の多い養分を肥培管理の工夫によって補う必要があるなど、課題も明らかになりました。
 農村地帯では水田の耕作放棄地が増えている中、灌漑設備の整った水田を利用したレンコンの浅床栽培によって低コスト・低労働力で十分な収入を得ることができるようになるかもしれません。現在は小規模な試研設備での実験ですが、今後実際の水田を用いた実証試研を実施し、より現場の実態に即した環境下での収益性の評価等を行うことで、技術としての確立や栽培方法のさらなる発展が期待されます。

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平成26年11月21日(金)朝日新聞【掲載承諾書番号A14-1833】※無断転載はご遠慮ください。