お知らせ

平成23年度連合農学研究科学位記授与式を挙行しました【3月19日(月)】

平成24年3月19日(月)12時から、愛媛大学農学部大会議室において、平成23年度連合農学研究科学位記授与式を、愛媛大学、香川大学及び高知大学の関係者の出席の下、挙行しました。

 今回は、課程博士12人、論文博士7人の計19人に博士の学位が授与されました。
 学位授与に続いて、柳澤康信愛媛大学長から、次のような式辞がありました。
「今回、連合農学研究科の学位を授与された方は課程博士で12名、論文博士で7名の合計19名です。
 学位を授与された皆さんに心からお祝い申し上げます。皆さんは長年にわたって勉学と研究に打ち込み、研究者としての能力と見識を高め、着実な研究成果を挙げられました。本日の学位取得はその証であります。皆さんのこれまでの努力に対して心から敬意を表したいと思います。また、これまで熱意をもって指導されてきた教員の方々、研究生活を支えてこられたご家族をはじめ関係者の皆さんにも敬意を表したいと思います。
 皆さんの中には、7名の海外からの方が含まれています。そのうち今日はインチャルンさん、サヒさん、ワヒュディさんの3名が出席してくれています。皆さんはこれまで言語や習慣の違いなどさまざまな面で苦労も多かったと思います。それを克服する原動力となったのは皆さんの高い目的意識でなかったかと思います。皆さんはそれぞれの国において将来を嘱望されている人材です。連合農学研究科在学中に培われた知識や技術を国づくり人づくりのために最大限活かしてください。また、日本語や日本文化を理解している皆さんが、皆さんの国と日本との「橋渡し」の役割を果たしてくれることも期待しています。
 今日、学位を授与された皆さんの中には、すでに社会人として活躍されている方もおられますが、多くの方はこれから社会での活動が本格的に始まるものと思います。皆さんが学位論文としてまとめ上げた研究成果や、それに関連して得た専門的な知識や情報はもちろん掛け替えのない宝物でありますが、たとえ自覚していなくても、皆さんが体得したものはそれよりはるかに大きな広がりと深さをもっています。課題を解決するための飽くなき探究心、努力すれば困難は乗り越えられるという確信、研究の過程で見いだした独自の工夫や方法、あるいは人と意見交換や議論することの有効性、組織的な活動のなかで培われたコミュニケーション力や人間関係を築く能力など、必ずしも言葉では伝えられないような数々の知恵やノウハウはこれから社会で生きていく上で大きな財産になります。自信をもって社会に船出をしていただきたいと思います。
 さて、1年前に発生した東日本大震災は未曾有の被害をもたらしました。また、福島第一原発におけるメルトダウンはこれまで経験したことのない大惨事となり、長期にわたる放射能汚染が懸念されています。今後10年、あるいはそれ以上の期間になるかもしれませんが、この大震災からの復興が日本の最も重要な課題となるのは間違いありません。また、地球規模では、地球温暖化、化石エネルギー資源や水資源の枯渇、化学物質による環境汚染、自然災害の増加など、私たちが直面する人類史的課題は深刻さを増しています。
 このような問題のどれひとつを取っても、複雑な要因が絡んでおり、その解決のための確かな道筋が見えているとは言えません。このような状況にあって、未来への希望の光を灯し、問題解決の突破口を開くのは、皆さんのような若い研究者の鋭い問題意識と、それに基づく創造的な活動です。
 皆さんは今後、それぞれの国、それぞれの持ち場で活躍されることになりますが、皆さんの前に立ちはだかる課題は、地域に固有のものであると同時にグローバルな課題でもあります。問題解決のためには、共通の目的に向かって進んでいるという国境を越えた連帯感が重要です。そのような連帯感が生まれれば国の垣根は低くなり、国際的な連携や友好が推進されます。
 学位を取得された皆さんが、常に国際的な広い視野をもって前進されることを期待して、式辞といたします。」

 記念撮影終了後引き続き、連大留学生のジャン・チュアンさんの司会により、祝賀パーティーが開催されました。パーティーの半ばで、本日学位を授与された出席者全員から、それぞれ、指導教員や家族への謝辞、研究生活の思い出、そして今後の抱負などについてスピーチがありました。

<連合農学研究科>