平成23年11月11日(金)、医学部臨床第3講義室において、和歌山県立医科大学産科婦人科教室の井箟一彦教授を講師に迎え、「絨毛癌の診断と治療〜化学療法を中心に〜」と題し、第18回愛媛大学医学部附属病院腫瘍センター講演会を開催しました。
絨毛癌は比較的稀な婦人科腫瘍ではあるものの、転移巣ばかりに気を取られると、診断に時間を要し予後不良となります。
井箟先生は、この疾患を認知し、hCG検査の有用性を認識することが重要であることを述べました。続いて、エトポシド、メソトレキセート、アクチノマイシンDという抗がん剤を用いた化学療法の有用性を述べ、転移があっても完治が望める本疾患の経過や、現在の標準と言われる治療法を解説しました。また最後には、ご自身が経験された患者さんのケース・プレゼンテーションから、治療成果の向上には、多職種が関与する集学的治療が重要であることを述べ、会場の皆さんはメモを取りながら傾聴していました。
講演終了後は、座長である本学大学院医学系研究科生殖病態外科学の那波明宏教授や、会場の医療者を交えて活発な意見交換が行われ、がんの診療を行う医療者にとって貴重な講演会となりました。