平成22年3月27日(土)14時から、菅井ニッセイビル(松山市一番町)において、医学部附属病院のがん患者・家族サロン「あいほっと」が、がん患者・家族向けセミナー「がんになっても安心して暮らせる街づくりを目指して 〜医療における患者・家族の力 患者会・サロンの役割〜」を開催しました。
セミナーは、NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会の松本陽子代表の司会で始まり、開会の挨拶に続いて基調講演が行われました。愛媛県立中央病院血液腫瘍科の名和由一郎代表部長は、「血液疾患に対するよりよい移植医療を目指して―当院における移植体験者・家族の会の活動報告―」と題し、血液腫瘍の専門家として、血液のがんの特性や治療について解説し、その中で患者会が果たす役割の重要性を経験を元に話されました。
休憩を挟んで、悪性リンパ腫患者・家族連絡会NPOグループ「ネクサス」の古賀眞美理事が、「患者&家族の小さなチカラを大きなチカラへ」と題して講演しました。古賀理事は、親族が血液のがんを煩った際に、骨髄移植のドナーとなった経験から、本人や家族ががんを経験した人の話を聞くことが、患者やその家族の力になるという話をされました。また、「藁にもすがる」という意識から、インターネット検索による不適当な情報に左右されたり、不確実な情報から安易にサプリメントに頼ったりするリスクについて注意を喚起されました。
がん患者や元患者が話をする場をもつことは、治療の上でもメンタル面でも力になり、今回のセミナーは、がん患者やその家族の力になっているようでした。約50人の参加者は、講演に熱心に耳を傾け、体験を語り合うことの大切さを改めて感じている様子でした。
<医学部>