お知らせ

新しい圧力目盛り「EHIMEスケール」を記者会見にて発表

 平成21年8月3日(月)、地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の土屋卓久教授と丹下慶範助教らの共同研究によって開発に成功した新しい圧力目盛り「EHIMEスケール」の発表記者会見を行いました。

 今回発表した「EHIMEスケール」は、100万気圧を越える超高圧領域においても高い信頼性で用いることが出来る新しい圧力目盛りです。地球深部に対応する高温高圧条件下での実験では、温度を測定することは比較的簡単ですが、圧力の値を正確に見積もることは非常に難しく、信頼性の高い圧力目盛りを確立することは地球科学研究において極めて重要な課題でした。高い圧力は、標準物質である金(Au)や酸化マグネシウム(MgO)などの物質の体積変化を測定し、その変化から状態方程式というある種の式(圧力目盛り)を用いて決定します。「EHIMEスケール」は酸化マグネシウム、金、白金を標準物質として用い、それらに関するすべての実験データを矛盾なく説明できる最も信頼できる圧力目盛りとして、今後地球科学をはじめ高圧力に関係する様々な分野で利用されることが期待されています。
 なお、この研究成果は、アメリカの著名な専門誌(Journal of Geophysical Research 及びPhysical Review B)に掲載されています(8月現在一部印刷中)。また、GRCを中心としたグローバルCOEプログラム「先進的実験と理論による地球深部物質学拠点」の活動の一環として高圧地球科学や高圧物理学の専門家が世界各地から愛媛大学に集まって開催した国際サマースクール「物質の圧力-体積-温度状態方程式」【主催土屋GRC教授ら:8月3日(月)-8月5日(水)】の初日にも、丹下助教が同研究成果について発表しました。