!

重要なお知らせ

お知らせ

公開シンポジウム「古代東アジアの出土資料と社会」を開催

 平成19年10月6日(土)、7日(日)、法文学部で公開シンポジウム「古代東アジアの出土資料と社会」を開催しました。

 このシンポジウムは、愛媛大学「資料学」研究会、愛媛大学・特別推進研究プロジェクト、新潟大学超域研究機構「大域的文化システムの再構成に関する資料学的研究」プロジェクト、東北学院大学オープンリサーチセンターの主催、愛媛大学法文学部人文学会の共催で行いました。

 6日は、約30人が参加し、まず松原弘宣法文学部教授から「このシンポジウムを実りあるものにしたい。」と挨拶があり、藤田勝久法文学部教授から講師の紹介がありました。

 引き続き、李 開元就実大学教授から「『史記』の史実と出土資料−秦の趙高について」と題した講演がありました。趙高は、秦帝国を私物化し、自分にとって邪魔な者は排除するなど悪名高い人物であり、また「馬を指して鹿という」の「馬鹿」の語源に関わった人物とされています。李教授は、趙高について『史記』や最近の出土資料から、趙高はこれまで信じられてきたような去勢された宦官ではなく、中車府令(将軍と同等レベルの馬車を扱う役職)を務めており、文武両道の人物であることがわかったことや歴史上の人物評価は、伝来の文献、新出の出土資料、新たな研究成果を統合し、更に実地調査を行うことが重要であると話されました。

 続いて、韓国の金 秉駿翰林大学教授から「韓国における簡牘研究の現状」と題した講演がありました。金教授は、韓国で出土された木簡は350枚と少ないものの、6世紀半ばのものもあり、日本の木簡と関わりがあるのではないか、どのような場所を経由して中国から伝わったのかなど、出土された木簡を翻訳しながら話されました。

 7日は、以下の講演を行いました。
◆藤田勝久 愛媛大学教授 「始皇帝と秦帝国の情報伝達−『史記』と里耶秦簡」
◆陳 偉  武漢大学簡帛研究中心教授 「秦と漢初の文書伝達システム」
◆下倉 渉 東北学院大学准教授 「出土資料からみた南京の歴史」
◆山中 章 三重大学教授 「鈴鹿、不破、愛発三関の立地・構造からみた古代の交通管理」
◆七海雅人 東北学院大学准教授「板碑からみる中世の陸奥国府」

広報室