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グローバルCOEワークショップを開催

平成19年10月13日(土)、14日(日)、グローバルCOEワークショップ「生物環境試料バンク(es-BANK)を活用した環境科学・生態学の新展開—海棲哺乳類を中心に—」を開催しました。

 このワークショップは、沿岸環境科学研究センターが中核となる「グローバルCOEプログラム」の活動を広く専門家や学生に理解させ、また同センターが保有・管理する生物環境試料バンク(es-BANK)の試料を利用した研究の新展開を図ることを目的に実施しました。
 10月13日(土)総合研究棟1にて、es-BANKを通じて共同研究を実施している学外講演者4人から、海棲哺乳類を中心とした研究内容の発表がありました。講演者は、国立科学博物館や九州大学、帝京科学大学において、活躍している第一線の研究者です。また、同センターの高菅卓三客員教授(株式会社 島津テクノリサーチ)および高橋真准教授より、es-BANKを活用した環境化学の先端研究も併せて報告されました。講演には、同センターや本学理学部、農学部の学生や院生等をはじめ、企業関係者など約60人が参加し、最新の研究成果を熱心に聞いていました。

  10月13日(土) 講 演 13:00-17:00  
    「海棲哺乳類の自然史研究と博物館」
          山田 格(国立科学博物館)
    「鯨類の保全遺伝学と試料バンクの活用」
          小池裕子(九州大学)
    「海棲哺乳類の歯を使用した年齢査定法」
          天野雅男(帝京科学大学)
    「スナメリに残留している微量有機ハロゲン化合物の探索」
          高菅卓三(株式会社 島津テクノリサーチ・愛媛大学)
    「漂着海棲哺乳類の病理学的調査概要」
          田島木綿子(国立科学博物館)
    「残留性有機汚染物質とその候補物質による汚染の過去復元と将来予測」
          高橋 真(愛媛大学)

 10月14日(日)には、es-BANK棟で、スナメリとハセイルカの解剖を行いました。早朝からの解剖でしたが、同センターを中心とした学内関係者約50人が参加し、専門家の説明に続き、解剖の手順や測定方法などを学習するとともに解剖実習を行いました。
 拠点リーダーの田辺信介教授は「es-BANKを優れた人材の育成と最先端の研究に役立てたい。これからは化学物質による汚染実態と野生生物の異常を関連づけ生体のリスク評価につながる研究課題に挑戦したい」と語りました。
 また、解剖実習に参加した学生や院生は「イルカの解剖作業が可能な専門機関は限られているため、とても貴重な体験となった」「現在、野生生物への毒性影響評価の研究に取り組んでいるが、対象となる漂着個体の解剖作業に参加し、実際に試料に触れたことは貴重であった。同じ課題に対して、生態学や解剖学の手法でアプローチする第一線の研究者と意見交換でき、とても刺激になった」と感想を述べ、その関心の高さがうかがえました。

沿岸環境科学研究センター