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大学院連合農学研究科博士課程1年のHOSSAIN MD SHAHADATさんが未来博士3分間コンペティション2018で最優秀賞を受賞しました。【9月15日(土)】

 平成30年9月15日(土)、東広島芸術文化ホールくららにて開催された「未来博士3分間コンペティション2018」において、愛媛大学大学院連合農学研究科博士課程1年のHOSSAIN MD SHAHADATさんが、審査員会(18名の大学・企業等関係者から構成)が選ぶ「最優秀賞」、企業審査員が選ぶ「シュプリンガー・ネイチャー賞」さらには聴衆の投票によって決まる、「オーディエンス賞(英語部門)」をトリプル受賞しました。
 HOSSAINさんの所属する研究室では「Phytoprotectants」という、非生物的ストレスから植物を保護する化学薬品の研究を主として行っており、HOSSAINさんは、様々なストレスに対し耐性を高めることのできる薬品を見つけ出すため、植物におけるストレス耐性のからくりについて研究をしています。今後のHOSSAINさんの更なる活躍が期待されます。

 

【HOSSAINさんからの受賞コメント】

 バングラディシュ出身のホセイン・エムディー・シャハダットです。2015年に日本に来てから、香川大学の修士課程を修了し、現在、愛媛大学連合農学研究科において、博士号を取得するべく、学生をしております。日本のアニメを見ることや、旅行、本を読むことが好きです。
 今回のプレゼンテーションでは、ストレスを感じやすい様々な環境における、作物量の維持について発表をしました。皆さんもご存じの通り、環境の違い、例えば、土壌の塩分が強かったり、水がないあるいはありすぎる状態だったり、はたまた、外が暑すぎたり。そのような環境の違いは植物にストレスを与え、作物の産出に大きく影響します。植物は動くことが出来ない為、彼らはそのストレスから逃げることが出来ません。それにより、植物の成長を妨げたり、作物の量の減少するという状況が結果として出てきます。ストレスのかかり具合により、作物の量が、50%から100%減ることもあります。そこで皆さんに考えて欲しいことは、このストレスのかかる状況下において、人口増加している昨今、どのようにして人々に食糧が渡ることを確かめることが出来るのでしょうか。
 今回の研究の中では、ストレスのかかる状況下での作物の生産量を維持することを目標に掲げ、いくつかの化学薬品を使用し、植物をストレスから守る研究をしました。驚いたことに、酢は90%もの作物を塩分の強い土から守ることを発見しました。同時期に同様に使用したその他の酢を使わなかった作物たちはどれも塩分によるストレスにより、枯れてしまいました。酢は、比較的安価であり、人間や環境にも影響がないため、これは大変驚くべき結果でした。実際に土壌へ酢を使う場合の酢を使うのに適した方法を作り上げることが今の課題ではありますが、酢を使うことでストレスのかかりやすい状況下でも作物の生産を維持することが出来ると僕は信じています。
 今回、このような賞を頂けるということは正直言って全く予想していませんでした。大変光栄なことに、最優秀賞に選んで頂いたばかりでなく、オーディエンス賞とスプリング・ネイチャー賞までも頂くことが出来ました。言葉に出来ないほど、貴重な体験となりましたし、何より、私の指導教員の先生や同じ研究室の仲間たち支えてくれる友達や家族にとても感謝しています。
 今後の目標としては、私は、いつか科学者になりたいと思っています。今後は現在の研究を続け、博士課程修了後は、日本や私の出身国であるバングラデシュに限ることなく、世界中の会社又は、研究機関で研究員として働くことを計画しています。
 最後になりますが、私の持つ知識や技能を使い、研究でこの問題を解決していくことで、社会に貢献していきたいと思っております。科学の力でいつかこの世界を平和にすることが私の夢です。私は、日本の「やってみないと分からない」という言葉が好きです。だから皆さんも,考えすぎず、いろいろなことに挑戦してみて下さい。

 

<大学院連合農学研究科>