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投稿日:2019.10.08
酸素金属化に伴う電子状態変化を世界で初めて実測

研究のポイント

 ・ 酸素が100万気圧付近で金属化する際の電子状態変化を初めて実験的に観測した。
 ・ 30-40万気圧でも、絶縁体-半金属転移に対応すると思われる電子状態の変化を観測した。

概要

 兵庫県立大学の福井宏之助教(理化学研究所客員研究員兼務)、和田正弘大学院生(当時)、理化学研究所情報システム本部計算工学応用開発ユニットのLe The Anh研究員(当時)は、台湾の國家同歩輻射研究中心(NSRRC)、高輝度光科学研究センター(JASRI)、愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)と共同で、100万気圧で酸素が金属化することに伴う電子状態の変化をX線ラマン散乱測定(※1)と電子状態計算(※2)により解明しました。これは、大型放射光施設SPring-8(※3)とスーパーコンピュータ「京」(※4)とを連携させた研究成果で、米国科学誌「米国科学アカデミー紀要(Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America)」においてオンライン公開されます。

※1 X線ラマン散乱
 物質に入射したX線のエネルギーEiが電子の励起エネルギーεf -εiよりも大きい場合、エネルギーεiの内殻準位にある電子がエネルギーεfの非占有準位に励起されることがある。励起に使われなかったエネルギーEo =Ei-( εf - εi ) は再びX線として放出される。X線ラマン散乱では、入射X線エネルギーEiを変えながら、特定のエネルギーE0の散乱X線を検出することで、電子の非占有準位の状態密度スペクトルを測定する(下図参照)。状態密度スペクトルは、入射X線と散乱X線とのエネルギー差Ei -Eo = εf - εiに対して得られる。透過性に優れた高エネルギーX線を使うことができるため、X線が透過しにくい高圧容器中に入れられた物質を測定するのに向いている。

※2 電子状態計算
 与えられた結晶構造について、量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式を高い精度の近似で解くことにより、電子の状態を明らかにする計算方法。

※3 大型放射光施設SPring-8
 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出す理化学研究所の施設で、その利用者支援等を高輝度光科学研究センターが行っている。SPring-8の名前はSuper Photon ring-8GeVに由来する。放射光とは、光とほぼ等しい速度まで加速された電子が電磁石によって進行方向を曲げられた際に発生する、細く強力な電磁波のことである。SPring-8では,この放射光を用いて、ナノテクノロジー,バイオテクノロジーから産業利用まで幅広い研究が行われている。

※4 スーパーコンピュータ「京」
 兵庫県のポートアイランドにある理化学研究所が所有運用していたスーパーコンピュータ。平成24年9月に共用が開始され、様々な問題解決に活用されたが、令和元年8月30日にシャットダウンされた。令和3年からは後継機であるスーパーコンピュータ「富岳」が稼働する予定である。

研究の詳細についてはプレスリリース資料をご覧ください。

プレスリリース資料はこちら(PDFデータ 775KB)


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地球深部ダイナミクス研究センター 教授・センター長 入舩 徹男

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irifune@dpc.ehime-u.ac.jp