概要
愛媛大学大学院理工学研究科 内藤俊雄教授を代表とする研究グループが、超伝導体の実用化に繋がる物質を発見しました。
現在日本国内の送電線で失われる電気のエネルギーは年間で原発6基分にもあたります。その失われたエネルギーは全て熱となるため、地球温暖化にも影響を及ぼしています。この問題を解決するには送電線などを超伝導体といわれる特殊な物質に変えるほかありません。超伝導体はこうしたエネルギーロスだけでなく、複雑な情報を大量に高速に処理できるコンピューターや、東京―名古屋間を40分(現在は新幹線「のぞみ」で1時間40分)で結ぶリニアモーターカーなど、数々の夢の技術を実現します。ところが超伝導体はごく限られた物質でしか見つかっておらず、しかも超伝導の特性を発揮できる環境が日常とはかけ離れているのが現状です。今回、内藤教授の研究グループが、より日常に近い環境で超伝導体を実現していく為の重要な発見をしました。
この研究成果は、学術雑誌「マテリアルズ・アドバンシズ」に掲載され、裏表紙に使用されることが決まっています。オンライン速報版で2021年12月15日から公開されています。