愛媛大学が主導する共同研究チーム(国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学)が、妊娠中のマンガン摂取が妊娠中うつ症状と予防的な関連があることを示す研究成果を発表し、平成29年1月15日に学術誌「Journal of Affective Disorders」の電子版に公表されました。
これまで実施された疫学研究において、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、マンガン等のミネラル摂取とうつ症状との予防的な関連が示唆されています。妊娠中は、母親の健康や胎児の発育にミネラルは必須で、その需要が高まります。
今回、妊娠中から母親と生まれた子を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用し、妊娠中の亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、マンガン摂取と妊娠中うつ症状との関連を調べました。その結果、妊娠中のマンガン摂取が、妊娠中うつ症状の有症率低下と関連していることが分かりました。
今後、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、マンガンを多く含む食品をたくさん摂取することにより、妊娠中のうつ症状を予防できる可能性を示す非常に関心の高い研究成果であるといえます。
掲載誌
Journal of Affective Disorders
論文タイトル
Manganese intake is inversely associated with depressive symptoms during pregnancy in Japan: Baseline data from the Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study
マンガン摂取と妊娠中うつ症状との予防的な関連:九州・沖縄母子保健研究
著者
愛媛大学 三宅 吉博、田中 景子、古川 慎哉
国立保健医療科学院 大久保 公美
東京大学 佐々木 敏
琉球大学 荒川 雅志