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プレスリリース

超伝導ダイヤモンドを使った新高圧発生装置を開発~ヒメダイヤと組み合わせることで、超高圧下での電気抵抗測定が容易に~(物質・材料研究機構との共同リリース)

概要

  1. 国立研究開発法人物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 ナノフロンティア材料グループ 高野義彦グループリーダーの研究グループと愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)入舩徹男センター長の研究グループは、金属のように電気を通す超伝導ダイヤモンド1,2を、世界で一番硬く割れにくいナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)3上に電極として微細加工することにより、新しいダイヤモンドアンビルセル(DAC)4を開発しました。この開発によって、数十ミクロンの小さなサンプルに4本の電極をつけるという熟練を要する技術が必要なくなり超高圧下での電気抵抗測定がとても容易になりました。さらに、電極もダイヤモンドにすることで繰り返し利用が可能となり、高圧下物性測定の作業効率や経済性が格段に向上しました。
  2. 一般的なDACは図1の右に示すように、対向する二つのダイヤモンドのキュレット面を押しつけることにより高圧力を発生させる装置です。より高い圧力を発生させるためには、より小さなキュレットをもつダイヤモンドを用いる必要があります。数十万気圧の超高圧を発生させるためには、直径400ミクロン程度の小さなキュレットを用います。このため、サンプルの大きさは100ミクロン程度となり、作業はとても難しくなります。百万気圧以上の高い圧力発生ともなれば、サンプルサイズもさらに小さくなり、もはや電極を手で取り付けるのは困難を極めます。
  3. そこで、超伝導ダイヤモンド電極を電子線リソグラフィー法5を用いてアンビル上に微細加工しました。リソグラフィーを用いて電極を作製するためには、平板状のダイヤモンドが好都合であるため、平板状のダイヤモンドとキュレットを備えたダイヤモンドとを組み合わせ、図1の左図のような新しい形状のダイヤモンドアンビルセルを考案しました。
  4. 以上のようにして、世界で一番硬い電極ダイヤモンドと世界で一番硬いダイヤモンドアンビルを組み合わせた超高圧下での電気抵抗測定を容易にする、新しいダイヤモンドアンビルセルの開発に成功しました。超高圧下の材料開発研究は、実験に高度な技術を要するためまだまだ未開拓です。そのため、驚くべき性能を有する新材料や新超伝導体が潜んでいる可能性が高い分野です。本開発は、日本が得意とする材料開発分野の発展に貢献する新技術であると考えています。
  5. 本研究の一部は、文部科学省により認定されました共同利用・共同研究拠点「先進超高圧科学研究拠点 Premier Research Institute for Ultrahigh-pressure Sciences (PRIUS)」の支援を受けて行われました。
  6. 本研究成果は、2月23日の愛媛大学GRC地球深部ダイナミクス研究センターにおけるPRIUSシンポジウムにて発表されます。

DAC

※詳細はプレスリリース資料をご参照ください

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(物質・材料研究機構との共同リリース)

お問い合わせ先

研究内容に関すること

住所 地球深部ダイナミクス研究センター センター長 入舩 徹男
Tel 089-927-9645,8197
Mail  irifune@dpc.ehime-u.ac.jp

報道・広報に関すること

住所 国立大学法人 愛媛大学 総務部広報課広報チーム
Tel 089-927-9022
Fax  089-927-9052
Mail  koho@stu.ehime-u.ac.jp