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重要なお知らせ

プレスリリース

【8月22日】催奇性を回避できるサリドマイドの改良とPROTAC への応用-重篤な副作用を軽減したタンパク質分解誘導剤開発への第一歩-(記者説明会の実施)

このたび、愛媛大学プロテオサイエンスセンターの山中聡士特定助教、澤崎達也教授、降旗大岳特定研究員、柳原裕太特定助教、今井祐記教授、名古屋工業大学大学院工学研究科の柴田哲男教授、徳島大学先端酵素学研究所の小迫英尊教授、京都大学大学院生命科学研究科の宮川拓也准教授、東京大学の田之倉優名誉教授らの研究グループは、サリドマイドの重篤な副作用である催奇形性を軽減したサリドマイドの改良とそれを応用した新たなPROTAC の開発に成功しました。

サリドマイドは半世紀以上前に開発され、胎児に重篤な催奇性を誘発し、世界最大の薬害を引き起こした低分子薬剤として広く知られています。現在、サリドマイド誘導体は血液がんの治療薬として年間約1 兆円以上の規模で使用されています。しかしながら、催奇性を回避したサリドマイド誘導体は報告されていません。これまでの研究から、サリドマイドやサリドマイド誘導体はタンパク質を分解誘導するタンパク質分解誘導剤であることが明らかになっていました。本研究では、抗血液がん作用に関与するタンパク質を選択的に分解誘導するサリドマイド誘導体の開発を行いました。開発したサリドマイド誘導体は、多発性骨髄腫や5q MDS 症候群などに既存薬レナリドミドと同等以上の抗増殖活性を示しました。さらに、次世代の治療薬として期待されているキメラ化合物PROTAC へ応用したところ、催奇性に関与するタンパク質の分解が抑制され、薬効標的タンパク質をより選択的に分解誘導することを示しました。本研究成果により、催奇性を回避したサリドマイド誘導体の開発や様々な疾患に対する選択的なPROTACs の開発が促進されることが期待されます。

この研究成果に関する論文は、2023年8月18日付けでNature Communications 誌に掲載されました。

記者説明会について

日時

令和5年8月22日(火) 14時00分~ (受付13時30分から)

場所

愛媛大学学術支援センター応用タンパク質研究支援部門4F 会議室 ※別紙地図参照

会見者

プロテオサイエンスセンター長 澤崎 達也(さわさき たつや)
プロテオサイエンスセンター特定助教 山中 聡士(やまなか さとし)

申込

以下の申込フォームからお申込みください。

本件に関する問い合わせ先

プロテオサイエンスセンター
特定助教 山中 聡士