鉄酸化細菌による銅の濃縮機構を解明し、バイオマイニングへ期待
愛媛大学大学院農学研究科 光延聖 教授、谷本和也 大学院生は、理化学研究所、日本原子力研究開発機構、九州大学大学院理学研究院との共同研究によって、銅を“鉱石レベル”まで濃縮固定できる新規鉄酸化細菌を初めて純粋分離し、その強力な鉄酸化作用が銅の高濃縮を引き起こす仕組みを明らかにしました。本成果は、微生物を利用した有価金属回収(バイオマイニング)や環境浄化技術の開発に繋がる重要な結果です。
なお、本成果は、2025年11月30日付で米国Wiley社から刊行された国際科学誌『Environmental Microbiology』に掲載されました。
研究成果のポイント
- 鉱山跡地から銅を高濃縮する鉄酸化細菌を発見
- 分離株は銅を鉱石レベルまで高濃縮
- 複数の銅排出遺伝子群に支えられた堅牢な銅耐性を保有
- 独立栄養菌であり“カーボンニュートラル型”の銅回収技術へ応用できる
論文情報
掲載誌:Environmental Microbiology
題名:Percent-Level Copper Mineralisation Promoted by Copper-Tolerant Iron-Oxidising Bacteria in Circumneutral Mine Drainage
(邦訳)銅耐性鉄酸化細菌により引き起こされる中性鉱山排水の高レベル銅濃縮
著者:Tanimoto K, Kato S, Tokunaga K, Hamamura N, Ohkuma M, Mitsunobu S*(*責任著者)
DOI:10.1111/1462-2920.70212

