「21世紀COEプログラム」研究教育拠点にも選定された世界が注目する沿岸環境研究を探る

block_6067_01_m現在、環境問題は人類の存続を左右する重要問題としてクローズアップされ、地球規模及び地域規模両方で対処すべき緊急課題となっています。

とくに、沿岸海域は人間活動と密接なつながりをもち、また陸域と海域の物質交換が活発に行われる環境域であるため、そこでの環境動態の解明は将来の地球環境を予測・保全する上で、重要なカギとなっています。

田辺研究室では、環境ホルモンを含む有害物質を対象として、生態系のモニタリングと毒性機序の解明を通して、生態系を守る方途を提言しています。

研究の特色

メス同士で巣作りをするカモメ、ペニスが短小化したワニ、オス化するメスの貝、ウイルス感染によるアザラシやイルカの大量死などが世界各地で発生し、化学物質による内分泌系や免疫系の撹乱が強く疑われています。 田辺研究室では、環境ホルモン(内分泌攪乱化学物質)を含んだ有害物質(有機塩素化合物・農薬・重金属等)を対象として、世界の海洋をフィールドに地球的視点で、イルカやクジラ等野生生物の汚染と影響について長期間研究を進めてきました。
野生生物の「現在」は、生態系の一部であるわれわれヒトの「未来」でもあることを認識して、化学汚染の実態解明とともに、「ヒト中心の環境観」から「生態系本位の環境観」へ転換するための指針を、多くの人々に提供したいと考えています。

 

研究の魅力

 新しい発見をすることは世界一を意味し、それは非常に楽しいことで一度体験するとやめられなくなる。その発見で地域社会・国際社会に貢献できれば、最高ですね。

研究の展望

 block_5181_01_m最近の研究の中で、環境ホルモンによる海洋汚染が地球規模で拡がり、イルカや鯨の汚染レベルが異常に高いこと、またこの種の動物の解毒機能がきわめて弱いため化学物質のリスクが最も懸念されること、などを明らかにした成果が世界の注目を集めました。類似の研究は、他の哺乳類や野生の鳥類、ウミガメ類、魚類などでも展開しており、これらの成果を通して地球環境時代にふさわしい生態系本位の環境観を社会に定着させることができればと考えています。

 

この研究を志望する方に一言

研究は知力だけでは通用しない。気力・体力が伴わなければ成功しません。我が研究室のスローガンは『Never sleep, study hard』。寝食を忘れるほど研究に没頭し、環境分野の世界一を目指しませんか。