私たちの生活には、地域で自分たちのことを決める「自治」が欠かせません。この講義では、地方自治法を体系的に学び、その仕組みや役割を理解します。さらに、自治に関する法的課題を批判的に考察し、地方自治の意義や今後の課題について自分の考えを深める力を身につけることを目的としています。

授業内容

※広報課の職員が実際に受講しました。

クリスマスを間近に控えたある日の3限に、「地方自治法」という難しそうな授業の取材のため、法文学部の大教室に向かいました。
入ってすぐの机に、本日のプリントが置いてあります。小さな文字が並んでおり、さらに難しそうな印象を受けました。この講義は2年生以上を対象とし、受講生は160人程だそうです。

はじめに、前回の課題と、次回への課題について説明がありました。地方自治に関する事例について、考えるというものです。地方自治ということで、事例も身近なものでイメージしやすかったです。最初、難しそうと思っていましたが、実はそうでもないのかも?と感じてきました。

事例は、市立図書館や市営プールなど、多くの人が実際に行ったことのある場所での出来事を取り上げており、その場面を容易に想像することができました。法律のこの部分に照らし合わせ、このように考えるという説明に、「なるほど」と思うことが何度もありました。

この講義は、将来、公務員や地域に関わる仕事をしたい人には、特に役立つ内容です。担当の加藤先生は、その点も意識して説明をしており、時々「ここは大事だから線を引いて」という指示をしていました。これは高校生や中学生にもなじみのある授業風景だと思います。違うのは、受講人数が多いことと、自分で考えなければならない範囲が広いということでしょうか。

知識をただ覚えるだけでなく、自分で考え、意見を持つ力が身につく授業だと感じました。また、どんな人も、「地方自治」に何らかの関わりがあります。イメージで「難しそう」と思っていましたが、実は身近でとても大切な事柄だったのだと気づかされました。

教員からのコメント

地方自治法は、地方公共団体で日々生活している住民の権利・義務や、地方公共団体で公務員として日々働く方にとっての業務等に関係する法分野です。しかし、実は皆さんにとって密接な法分野であるにも関わらず、地方自治法といわれるとどのようなことを学ぶのだろうか?と疑問に思われる方は少なくないのではないかと思います。具体的なイメージを持ちにくい法分野ではないでしょうか。

そのためこの授業では、実は自分の生活等にとって密接な関係を持つ地方自治法がどのようなものなのか、社会においてどのようなことが問題になったりするのか、具体例を数多く紹介し(特に愛媛県や松山市の例など)、それに関連づけながら学習するようにしています。また、自分が気になった条例について調べたり、住民監査請求でどのようなものが出ているのか見たりするなどして、自分で能動的に調べてもらうという課題等を出すこともあります。そうすることで、実際に社会でどのように地方自治法が機能しているのか、実感を持ちながら理解できるようになってほしい、と思うからです。

また、愛媛大学法文学部には進路として公務員を希望している学生も多いため、地方公共団体としての視点でどのような点が問題になりうるのかや、住民でもない、地方公共団体でもない、別の第三者だったらその問題はどう見えるだろうかという視点等も意識して、考察してもらうこともあります。多角的な視点で物事をとらえることで、一つの物事をより深く理解できると考えています。

以上のようなことを意識しながら授業を構成しています。公務員を目指している方のみならず、地方公共団体の住民として、自分がどのようなことができ、どのような義務を負って、どのような役割があるのか、ご一緒に学んでみませんか?

受講学生のコメント

法文学部人文社会学科 3年生 森山 煌大さん

この授業では加藤祐子先生が自治の仕組みがどのように構築されているのか、地方自治法の法的根拠や歴史を踏まえて解説してくれます。対面形式で行われ、ふるさと納税や条例など私たち市民にとって身近な問題を判例から考察することで、地方自治への理解だけでなく、各々が地方自治を担っているという意識を育むことができます。

今回は公の施設について学習しました。例えば道路や図書館、公園など、住民の利用を目的とした施設の運営方法や使用許可の有無を詳しく知ることができました。先生が入念に作ってくださったレジュメやスライドにより、論点となる日常場面と法制度を結びつけて理解することができました。

本授業の履修を決めたきっかけは地方公務員試験に必要な一般教養を修得するためでした。しかし授業を通して、地域の問題について職員や市民の立場に立って考えることが心から楽しいと思えるようになりました。今ではただの試験対策としてではなく、地方自治法をもっとよく知りたいという思いから日々学習に励んでいます。