日本天文学会では、平成21年から毎年七夕の時期に全国同時七夕講演会と題して、全国各地で宇宙や天文学に親しんでもらうために講演会を開催しています。本学宇宙進化研究センターでも、この七夕講演会を毎年開催しており、最新の研究を一般の方々へ分かりやすく伝える機会となっています。
今年は「宇宙への招待」と題して2つの講演を行い、夏休みに入ったばかりの小・中学生の家族連れから80代の方まで、約230人もの参加者にご来場いただきました。
まず、粟木久光センター長の挨拶の後、宇宙進化研究センターの小山舜平研究員が「銀河の進化にせまる」というテーマで、銀河とは何か、また、銀河についての研究がどのように行われているのかを、自身が行ってきた野辺山45m電波望遠鏡による銀河研究を例に用いて解説しました。
続いて志達めぐみ助教が、「ブラックホールの姿にせまる」というタイトルで、国際宇宙ステーション搭載の全天X線監視装置MAXIを用いたブラックホールの観測成果や、最近大きなニュースになったイベント・ホライズン・テレスコープによるブラックホールの直接撮影などの話題に触れながら、最近の観測で分かってきたブラックホールの姿について解説を行いました。
最後の質疑応答のコーナーでは、会場から活発に手が上がり、「ブラックホールに吸い込まれた物質はどうなるのか」「どのようなしくみでブラックホールから高速でガスが噴き出すのか」「銀河が合体する際に中心の超巨大ブラックホールも合体するのか」「銀河の形は、将来どのように変化していくのか」といったさまざまな質問が上がりました。
本学では、今後も宇宙や天文学の最新の研究について、地域・一般の皆様に分かりやすくご紹介する講演会を開催してまいります。
<宇宙進化研究センター>