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GRCの入舩徹男センター長がR.W.Bunsenメダル受賞講演を行いました

 地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の入舩徹男教授・センター長が、ウィーンで開催されたヨーロッパ地球科学連合(EGU)のR.W. Bunsenメダル授賞式に出席し、受賞レクチャーを行いました。

 EGUは、ヨーロッパの地球物理学と地質科学関連の学会が合同し、2002年にヨーロッパ諸国を中心として組織された地球惑星科学分野の連合体です。EGUはアメリカ地球物理学連合(AGU)に続いて、地球惑星科学分野で世界第2の規模となっており、結成15年目の今年も世界109か国から約14,000名の参加があり、会期中に約15,000件の発表がなされました。
 R.W. Bunsenメダルは、19世紀のドイツの科学者Robert Wilhelm Bunsen(1811-1899)の業績を記念し、地球化学・鉱物学・岩石学・火山学分野から毎年1名選出される国際賞です。故Bunsen教授はセシウムやルビジウムの発見でも著名なハイデルブルク大学化学教室の教授で、化学・物理学の他に上記の地球科学分野においても重要な業績をあげています。理科の実験などで現在も用いられている「ブンゼンバーナー」は同教授の発明によるものであり、またその弟子から2名のノーベル化学賞受賞者を輩出していることでも著名です。

 今回の受賞は、高温高圧実験を用いたマントル深部及び沈み込むプレート関連物質の相転移・物性・化学組成の研究や、ヒメダイヤを初めとした新しい鉱物・物質の合成が高く評価されたもので、昨年11月にアジアから初めての受賞者決定の連絡がありました。4月17~22日の6日間に渡りウィーンで開催されたEGUの総会中には、授賞式に出席するとともに受賞講演や祝賀レセプション、またEGU会長主催の晩餐会に出席しました。
 入舩センター長は、受賞講演で超高圧実験による地球深部の物質・物性・化学組成の制約について述べるとともに、ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)の合成やその応用について話しました。また、超高圧を利用した透明ナノ多結晶ガーネットをはじめとする新しい物質合成についても触れ、若手研究者へのメッセージとして、「実験的研究者を目指すには、研究室に閉じこもらず自分で手を動かして色々な工夫をした実験をすすめて欲しい」と結びました。

 

参考HP

ブンゼンメダル
地球深部ダイナミクス研究センター
GRC一般講演会 「地震と物理で探る地球の内部」