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研究 投稿日:2016.06.14
重症熱性血小板減少症候群の治療に関する臨床研究を開始します
ダニ

フタトゲチマダニ(NIID国立感染症研究所から)

 本学の安川正貴副学長(大学院医学系研究科・教授)は、長崎大学・河野茂副学長および国立感染症研究所(以下、感染研)ウイルス第一部・西條政幸部長とともに、重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)に関する自主研究組織を立ち上げ、新規薬物療法についての臨床研究を速やかに開始します。

 

【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは】
 SFTSは、2011 年に中国の研究者らによって発見されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルスによるダニ媒介性感染症で、重症例では神経症状、出血傾向、血球貪食症候群、多臓器不全などが出現する致命率が極めて高いウイルス感染症です。2013年1月には日本でもSFTSが発生していることが明らかになり、本年6月1日までに、西日本を中心に185人の患者が確認され、うち47人が死亡しています。 

グラフ

SFTS症例の届出地域(NIID 国立感染症研究所から)

 SFTSには対症的な治療法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。しかし、これまでの基礎研究により、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が創製した抗ウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)が、SFTSの治療に有効である可能性が示されています。ファビピラビルは、ウイルスの細胞内での遺伝子複製に必要なRNAポリメラーゼを阻害することでウイルス増殖を抑制します。国内においては新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症を適応症として2014年3月に承認されています。本臨床研究グループのひとりである感染研の西條政幸部長らは、ファビピラビルがin vitroでSFTSウイルスの増殖を抑制し、さらにSFTSウイルスを感染させるマウス実験(in vivo)ではコントロール群ではほぼ全ての個体が死亡するのに対して、感染3日以内にファビピラビル投与すると致命率が0%に、5日目に投与を開始しても致命率が50%に低下することを世界で初めて報告しました。
 そこで、SFTS患者に対する「アビガン錠」の臨床的有効性を評価するための臨床研究を、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の支援を受けて、主に西日本でSFTS患者の診療に当られている医師の協力の下で開始します。SFTS患者への「アビガン錠」の投与を含めた治療は、本学医学部附属病院およびその他の参加施設で今後実施します。この臨床研究の事務局は、本学医学部に置かれています(連絡先は以下のとおり)。
 SFTSウイルスを保有するマダニは国内各地で確認されており、SFTSの患者発生地域も拡大しているため、有効な治療法の開発が望まれます。
 今年度実施する本臨床研究の結果に基づき、病態解明を含めた科学的な評価を行う予定です。本臨床研究へ、SFTS患者の登録を希望される場合は、下記問い合わせ先にある臨床研究事務局にご連絡願います。

問い合わせ先(臨床研究事務局)

愛媛大学大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学講座 東 太地、安川 正貴 
電話:089-960-5296

参照ホームページ

「NIID 国立感染症研究所」
「愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学講座」