お知らせ

安全衛生講演会を開催しました【9月30日(水)】

 平成27年9月30日(水)、総合情報メディアセンターメディアホールで、安全衛生講演会を開催し、学生、教職員を含む49人が参加しました。
 この講演会は、10月1日(水)〜7日(火)の全国労働衛生週間に先立ち、学生及び教職員の安全衛生に対する意識向上を目的に、安全衛生全学委員会、工学部安全衛生学生委員研修会が共同開催したものです。
 始めに、全学総括安全衛生管理者の宇野英満理事・副学長から、「会社や工場、あるいは大学等の生産活動・研究活動をエンジンに例えるなら、それをちゃんとコントロールできるブレーキの役割をする安全衛生管理活動が正しくないといけない。エンジンの方向や出力をブレーキでコントロールできるよう、今日の講演を聞いて今後の活動に取り組んで欲しい。」と、開会の挨拶がありました。
 続いて、愛媛労働局健康安全課の岸田建夫産業安全専門官が、行政の立場から「労働安全衛生について」と題した講演を行いました。労働災害発生状況について、全国的に労災の発生件数は増加傾向にあり、中でも転倒事故による労働災害が年々増えているため、厚労省では「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を唱え、各事業者に対策を講じるよう呼びかけていると説明がありました。また、平成26年6月公布の改正労働安全衛生法の中でも、化学物質のリスクアセスメントの義務化や、メンタルヘルス対策の拡充としてストレスチェック実施の義務化について触れ、どちらも労働者本人のセルフケアや職場環境の改善につなげることがポイントだと説明しました。そして、これらを含め「事業主トップの安全衛生に対する考えが重要であり、労働安全衛生法を守り、危険なものや有害なものから労働者の健康を守ることが大切である。」と締めくくりました。

 続いて、東京大学環境安全研究センターの辻佳子准教授が、高等教育機関の教員の立場から「思考力・実践力習得のための環境安全教育」と題して、講演を行いました。
 まず、実験室内での環境安全とは、自分の安全のみならず大学の構成員の安全を守ることであると述べ、大学の研究活動が高度化・学際化している中、大学内で起こった事故のうち実験中の事故が最も多いという統計があると説明しました。また、産業界で発生した重大事故等、過去に起こった事故事例に基づき、具体的な説明がありました。それらに対して、「法律さえ守っていれば安全かといえば、それだけでは安全性は担保できない。保護具の装着だけでも安全ボケしてしまう。実験室で活動する上で、リスクを回避し、リスクを最小限に抑えることが大切で、これからは、守られる安全から守る安全へと意識を変えることが重要であり、同時に段階に応じた安全衛生教育に力を入れていくことが重要である。」と、締めくくりました。
 最後に、工学部の田中寿郎教授からお礼の挨拶があり、参加者から感謝の気持ちを込めて拍手を送りました。