お知らせ

第1回女性研究者エンパワーメント講座を開催しました【2月6日(金)】
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会場の様子

 平成27年2月6日(金)、愛大ミューズ3階会議室で、第1回女性研究者エンパワーメント講座を開催しました。昨年10月末、文部科学省の平成26年度女性研究者研究活動支援事業(連携型)に四国5大学連携による女性研究者活躍推進コンソーシアム形成事業(平成26年度〜平成28年度)が採択され、愛媛大学、香川大学、徳島大学、高知大学、鳴門教育大学は、女性研究者の研究力向上、女性研究者数の増加や上位職への登用などに向けて取り組んでいます。
 本学では、女性研究者のリーダーシップ養成と研究力向上、そして女性研究者が元気に研究活動を継続していくために、女性研究者エンパワーメント講座を3回のシリーズで予定しており、今回はその第1回目となります。
 まず、女性未来育成センターの郡司島宏美准教授から、四国国立5大学連携事業の概要説明がありました。そして、今回は本学大学院理工学研究科の佐藤久子教授がコーディネーターを務め、「活躍する女性研究者とは」をテーマに、日本ロレアル株式会社の實川節子学術部長、お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科の矢島知子准教授とともに、女性研究者の研究活動の充実を考えていきたいとの話がありました。

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ロレアルの女性科学者支援の取組みを紹介する實川学術部長

 次に、佐藤教授から、日本ロレアル株式会社リサーチ&イノベーションセンターの實川学術部長のご経歴や幅広いご専門の紹介があり、實川学術部長から「女性研究者に関するロレアルの取組」と題するご講演をいただきました。
 最初に、ロレアルグループについて、創始者は世界で初めて人体に安全なヘアカラーを発明した科学者で、化粧品製造販売グループでは世界最大であること、研究開発は事業の重要な基盤であること、研究開発部門であるロレアルリサーチ&イノベーションの女性比率は70パーセントであること等の紹介がありました。その中で、ロレアルにとって女性科学者支援は、CSR活動(Corporate Social Responsibility: 企業が社会に対して果たすべき責任)の一つの柱になっており、世界レベルでは女性科学者の良きロールモデルとして第一線で活躍する女性科学者の業績を称えるためのロレアル-ユネスコ女性科学賞、若い女性研究者のための国際奨学金(2015年からは国際新人賞)、日本においては主に大学院生を対象に女性が研究を続けていくためのロレアル−ユネスコ日本奨励賞などを設け、広い分野で女性科学者を奨励しているとの説明がありました。また、日本ロレアルでは、リケジョ支援としてリケジョの日を設定し、かつ様々なイベントに参加して次世代への啓発活動をしていること、日本ロレアルが実施した理工系女子の意識調査(2014.6)の結果に基づくリケジョの本音などの興味深いお話がありました。最後に、「女性研究者の特徴を活かし、様々な協力を得ながらバリアを越えて、女性研究者が生き生きと働くように!」との期待を込めたメッセージをいただきました。
 続いて、「活躍する女性研究者とは」をテーマに、交流座談会を行いました。まず、佐藤教授から、自身の研究者としてのこれまでの歩みと共同研究の失敗事例なども交えて、成功する共同研究のための話がありました。

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ご自身の研究と育児の状況を紹介する矢島准教授

 そして、お茶の水女子大学の矢島准教授が、専門である有機化学の研究内容を紹介し、自身の平均的な一週間の過ごし方や子供が病気になった時の家族の協力、仕事のやりくり、子供との接し方などをありのままに話され、会場の共感を呼びました。また、女性研究者の悩みとして、研究時間が不充分でキャリアが途切れると研究を継続していくことが難しくなるという問題を挙げ、お茶の水女子大学は「ワーク・ライフ・バランス」の支援活動に積極的に取り組んでおり、内閣府の「カエルの星」として認定されたこと、会議はなるべく17時までに終了する等の意識付け、毎週木曜の昼休みには定時帰宅のアナウンスを流し、帰宅しやすい雰囲気を定着させている等の事例紹介がありました。
 その後、会場の参加者と研究、教育、育児、ワーク・ライフ・バランス、家庭生活などについて、大学と企業の立場の違いなどにも触れながら、予定時間をオーバーするぐらい活発な議論が交わされました。今回の講座は、それぞれに異なった環境の中で研究活動の充実を模索する女性研究者たちとそれを支える人たちにとって、良き交流の場となりました。