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お知らせ

高校生のための科学技術体験合宿プログラム「ウィンターサイエンスキャンプDX」を実施しました

 平成26年12月25日(木)〜28日(日)の間、プロテオサイエンスセンターで、ウィンターサイエンスキャンプDXを実施しました。サイエンスキャンプとは、独立行政法人科学技術振興機構が主催する高校生を対象にした実験・実習を主体とした科学技術体験合宿プログラムで、参加者は、先進的な研究テーマに取り組んでいる大学、公的研究機関、民間企業の研究所などを会場として、出会う機会の少ない第一線の研究開発現場で活躍する研究者や技術者から直接指導を受けます。  今年度も、12月下旬から1月初旬の冬休み期間に「ウィンターサイエンスキャンプ14-15」として、物理学、天文学、地球科学、有機化学、光化学、材料化学、生命科学等の分野において、先進的な研究テーマに取り組んでいる大学、公的研究機関の全国9会場において実施されました。そのうち、本学を含む3会場では、開催期間、人数、実習内容などをさらに充実させたサイエンスキャンプDX(ディー・エックスDeepen & Extendの意味)として実施することになり、プロテオサイエンスセンターでは、より高度な内容を盛り込んだプログラム「試験管の中で生命をつくる〜遺伝情報とタンパク質〜」を3泊4日で実施しました。

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学長からの激励

 今回、本学のプログラムを第一希望として応募したのは107人で、その中から選ばれた24人が参加しました(遠くは岩手、他東京6人、神奈川2人、京都2人、福島1人、愛媛1人などを含む15都府県)。参加者は、柳澤康信学長から「本学における先端生命科学研究を体感するとともに、キャンプで出逢った仲間とサイエンスを通じて交流を深めてください」と激励を受けました。続いて、プロテオサイエンスセンターの林秀則教授から、遺伝子とタンパク質に関する講義を受けた後、ティーチングアシスタントを務める理学部学生などの指導を受けながら、遺伝子組換えの実験に取り組みました。

 参加者は、12月25日(木)から27日(土)の3日間にわたり、「組換えDNAの作製」、「大腸菌への遺伝子導入」、「コムギ胚芽を利用した試験管内での転写と翻訳の再現」、「PCRによる遺伝子の分析」、「DNAの塩基配列の解析」、「電気泳動および質量分析によるタンパク質の分析」といった高校の授業では体験することのできない大学レベルの実験も体験しました。特に「コムギ胚芽の抽出液を利用した試験管内での転写と翻訳の再現」実験は、新課程の教科書に掲載されている内容であり、それを全国の高校生に先駆けて体験できたことに加え、実際に合成された蛍光タンパク質がブラックライトによって鮮やかに輝くのを見て、感動した様子でした。また、本センターのタンパク質研究の応用についての説明や、先端機器の紹介に対し多くの質問がでるなど、熱心に見学しました。
 2日目のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)校の生徒との交流会では、訪問先の松山南高校で、SSH活動の概要、課題研究の成果報告などを聞いた他、参加者の代表3人がこれまでの自由研究や高校での研究活動を紹介し、双方の生徒にとって有益な情報交換ができました。その後、約30人の生徒と昼食をとりながら、相互に科学への興味や関心、将来の夢などを語りました。

 

 最終日の28日(日)には、遠藤弥重太特別栄誉教授の講義を受け、生命の神秘に思いをはせました。その後、各班がそれぞれ与えられたテーマについて実験結果とその解析および考察をまとめた成果発表会を行いました。キャンプの初日には、ぎこちない会話を交わしていた参加者でしたが、4日間の充実した講義や実験等の共同生活を経て連帯感が生まれたようです。班別プレゼンテーションのため、2、3日目は深夜までアドバイザー等の指導を受けながら、データの解析やスライドの作成に力を合わせて取り組み、最終日にはお互いに助け合いながら、その成果を発表しました。最後に林教授から修了証書を手渡され、4日間の合宿を締めくくりました。  今後もこのような取組みを通じて、多くの若者に科学の魅力を伝え、未来の科学者育成に貢献します。