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地域 投稿日:2016.09.23
「地域とのさらなる共創を目指して」【7月21日(木)】

※掲載内容は懇談会当時のものです。

 2016年春に誕生した愛媛大学社会共創学部。その展望や地域から寄せられる期待を、大橋裕一学長と愛媛大学OBでもある三浦工業株式会社の髙橋祐二代表取締役会長にお話いただきました。

1対談

社会で大きな力となったのは課外活動で得た能力と仲間

合田:髙橋会長は愛媛大学工学部の卒業生でいらっしゃいますが、大学時代の思い出で特に印象深いことはありますか。

髙橋:私は昭和47年に入学しましたが、今、振り返ってみても思い出すのは、ほとんどが課外活動のこと(笑)。私は自動車部に入部したのですが、それはまず自動車免許を取得したいと考えたから。「免許が取れたらヨット部に転部しよう」と思っていましたが、当時は先輩後輩の人間関係が非常に濃密で、結局、辞めたいと言い出せぬまま、4年間自動車部で活動をしました。しかし、結局のところはこれが非常に良かったのです。そこで得た様々な経験は私の人格を形成してくれ、企業に就職してからも大いに役立ちました。
 学業においては、3年次が終了した時点で必修科目の取り漏れがかなりありましてね。これはいけないということで、4年生の時には講義は必ず最前列で受講し、先生のところにも頻繁に顔を出して質問攻めにしました。もう少し早くやる気になっていれば良かっただけのことかもしれませんが、結果的には目標のために必死で努力し、それを達成したことは、後の人生にも大いに自信になりました。

大橋:自動車部で得た経験は、具体的にどのように社会で役立ったのでしょうか。

髙橋:一番はコミュニケーション能力。時にはぶつかり合いながらも互いに理解し合うことの大切さを知り、かけがえのない仲間たちを得ることができたと思います。私は2004年、約30年ぶりに松山へ戻り、すぐに社長に就任しました。ほとんど知り合いがいなくなっていた私を気遣い、社長就任後、自動車部OBの仲間たちがOB会を立ち上げて私を励ましてくれました。非常に心強く、嬉しく思いましたね。

大橋:やはり先輩や後輩と接する中で、社会に適応する能力が身につき、仲間との絆を一生のものにすることができるのでしょうね。愛媛大学では2012年7月に「愛大学生コンピテンシー」を定めました。これは、学生が卒業時に身につけておいて欲しい能力を示したもので、正課の授業や研究活動、サークルやボランティア活動で得た多様な能力により、卒業後の人生を切り拓き、豊かに生きるための大きな力を身につけてもらうことを目的としています。髙橋会長の経験は、まさにそれを地でいっていたというわけですね。

髙橋:有難いことだと思っています。

地域をキャンパスに地域活性化に寄与する人材を1-5対談

合田:愛媛大学には今年、新たに社会共創学部が誕生しました。42年ぶりの新学部開設ということで地域からも大きな期待が寄せられています。大橋学長は新学部に対してどのような思いを抱いていらっしゃいますか。

大橋:愛媛大学では農学部や法文学部に特別教育コースを設けて、地域や地場産業と密接に関与しながら学生を育てるという取組みを行ってきました。しかも、その卒業生たちが、社会に出て大活躍しており、とても評判がいいのです。そこでよりシステマティックに、より広い分野で社会と関わりながら学生を育ててはどうかという考えのもと、社会共創学部を開設しました。学部の合言葉は「地域がキャンパス」。地域に出て、地域の人々と接しながら、地域の課題の解決に向けて共に動く中で知識や経験を増やし、人間的に成長することを期待しています。また卒業後は愛媛県の活性化に寄与して欲しいという願いをもっています。

合田:髙橋会長は、社会共創学部に対してどのような思いをもっていますか。

髙橋:非常に素晴らしいことだと思います。私のような県外出身者も、地域と関わることで愛媛への愛着が湧くでしょうね。

大橋:まさにそれです。現在、卒業後も愛媛県に残る人の割合は約40%。それを10%アップするのが当面の目標です。ここ5年を目安に、毎年2%ずつ数値を上げて、卒業生の半分が愛媛に残ってくれるような教育を行っていきたいのです。そのためには、愛媛県の現状、その中で抱える課題、そして愛媛の企業の魅力を知ってもらうことが大切です。髙橋会長にも講義していただいた「愛媛学」の授業などもその取組みの一つです。地域にはいろんな良い企業がありますから、それを知るキャリア形成授業にも力を入れています。また学生が県内に残るには、愛媛県の産業そのものが活性化し、雇用が創出されないといけません。ですから産官学民が一体となって地域を盛り上げる取組みに、これまで以上に力を入れていく考えです。

合田:大学と地場産業と地域がともに盛り上がっていくということですね。これについて髙橋会長のご意見をうかがえますでしょうか。

髙橋:三浦工業においても、愛媛大学との関わりは年を追うごとに深くなっています。農学部での寄附講座は17年続いており、大きな成果を上げています。工学部や理学部との共同研究も行われています。今後はこうした連携を全学部に広げていきたいですね。我々の身近に、こうした先進的な取組みを行っている大学があることは非常に心強いです。激しい社会変化に対応するために、企業にはスピードが求められています。共同研究にしても、距離の離れた大学より、すぐに顔を合わすことができる地元の大学と行うほうがメリットは大きいと思います。

合田:そういう意味では、愛媛大学の役割はすごく重要ですよね。

大橋:それは自覚しています。少し前になりますが、愛媛大学が県内にもたらす経済効果が年間665億円と試算されました。これは非常に大きい数字ですが、ただ私たちはそれだけではなく、教育力と研究力により地域への貢献を果たしていきたいと願っています。社会共創学部をはじめとする各学部から地域に役立つ人材を輩出し、地域産業と密着した研究で未来を拓いていきたいのです。そこで力を発揮しているのが、私たちが「地域密着型研究センター」と総称する各センター。たとえば、愛南町の南予水産研究センターは水産業、四国中央市の紙産業イノベーションセンターは紙産業と結びつき、地域の方々とともに産業活性化に寄与する様々な研究活動を行っています。今後は、新たなセンター設立も視野に、各センターの活動を強化していきたいと考えています。

愛媛大学と地域社会がWin-Winの関係を構築

合田:髙橋会長の会社では、愛媛大学出身者も活躍していると聞いています。1-6対談

髙橋:毎年20名前後の愛媛大学卒業生を採用しており、現在愛媛大学OBの社員数は400名を超え、国内の社員の実に7人に1人は愛媛大学の卒業生です。理系を中心に文系の学生も一定程度採用していますから、文理融合の社会共創学部からの卒業生も積極的に採用したいと考えています。

大橋:とても有難い話ですね。教授陣も学生たちも非常に意欲をもって日々を過ごしています。4年後には優秀な学生を地域に送り出し、それを継続していきたいと思っています。

髙橋:そこで一点お願いがあります。私ども企業は海外にも多くの拠点があり、グローバルな視点をもつ人材を熱望しています。またチームワークや自主性、これらをもつ人材を育てて欲しいというのが地域の産業界の願いです。

大橋:社会共創学部はクォーター制をとっており、一年に3ヶ月は自由な時間を手に入れることができます。その期間、インターンシップや海外短期留学などを経験してもらい、社会で必要な能力を身につけてもらおうと考えています。このほかに愛媛大学に望まれることはありますか。

髙橋:要望というより期待なのですが、我々民間からすると、どうしても大学には近寄りがたい雰囲気があるので、大学側からどんどん地域にアプローチする姿勢を強めていただきたいですね。

大橋:そうですね。大学はやはり「知の拠点」であるべきなので、地域との人的交流を増やしていく必要があります。今後は、研究者が大学と民間企業等の2つの機関に雇用されつつ、それぞれの機関における役割に応じて研究・開発及び教育に従事するという、クロスアポイントメントにも取り組み、より強固な産学連携を行っていきたいと考えています。

髙橋:望むところです。お互いがWin-Winの関係、付加価値をもたらす関係を構築していきたいですね。

合田:最後に髙橋会長は愛媛大学校友会会長に就任されましたが、抱負をお願いします。

髙橋:愛媛大学には「輝く個性で地域を動かし世界とつながる」というミッションがありますが、私たちはこれからも変化していく愛媛大学を側面から応援したいと思っています。校友会は大学の応援団で私はその団長となるわけですから、いっそうの当事者意識をもち、お役に立てることを一生懸命考えて参ります。

大橋:非常に有難い限りです。

合田:本日はありがとうございました。

2対談

 

三浦工業株式会社諢帛、ァ.E-FOLIO-P03-P06_蟇セ隲Ⅸ05-06-711蟆

代表取締役会長  髙橋 祐二

1953年大分県生まれ。1976年愛媛大学工学部卒業、同年に三浦工業株式会社入社。2004年4月に同社代表取締役社長に就任、2016年4月より現職。主な公職に日本経済団体連合会幹事、四国経済連合会副会長、日本小型貫流ボイラー協会代表理事、松山商工会議所副会頭など。2016年7月に愛媛大学校友会会長に就任。

 

諢帛、ァ.E-FOLIO-P03-P06_蟇セ隲Ⅸ05-06-713蟆聞き手

合田 みゆき

1971年愛媛県松山市生まれ。1993年愛媛大学教育学部小学校教員養成課程卒業、同年に南海放送株式会社に入社。アナウンサー、報道記者として活躍する。2010年に同社を退職後は、フリーアナウンサーとして活躍中。