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農学部逸見彰男教授が中国広東省広州市農業科学研究院において特別講演セミナーを実施しました【11月22日(火)〜25日(金)】

 平成23年11月22日(火)〜25日(金)、農学部の逸見彰男教授(大学院連合農学研究科長)が、中国の広東省広州市農業科学研究院から招待され、「人工ゼオライト」技術の広州地域での産業利用、特に農業分野の活用技術について、特別講演やセミナーを行いました。

 「人工ゼオライト」(中国では「人造沸石」と表現)は、逸見教授のグループが、土壌中に存在する機能性ケイ酸アルミニウム系物質である 「イモゴライト」(無機ナノチューブ)や「アロフェン」(無機ナノボール)の基礎研究との関連で、電力副産物の石炭灰から合成する方法を世界で初めて発見し、大量製造技術を開発して実用化した、リサイクル型の多機能性新素材です。環境に対する関心が高まり、循環型の低炭素社会形成やゼロエミッション達成の意識が広まってきた中で、「人工ゼオライト」は、経済産業省により日本工業規格(JIS)が制定されていることもあり、環境志向型新素材として最近の社会で大きく普及してきています。また、土壌改良資材として優れた特性や機能を有するので、農作物の生産の場である土壌の働きを高め、付加価値の高い農産製品を生み出すことができます。
 広州は「食在広州」(食は広州にあり、つまり、食べ物がおいしい)と諺で言われているように、中国広東料理の中心地として知られています。広州市は、中国大陸の南部(華南地域)に位置する広東省の省都で、亜熱帯海洋性モンスーン気候帯の下で、稲、野菜、果物を主とした農業が盛んです。広州の地域において、食材として安全で、安心できる高品位な農産物の生産が特に求められていることから、「人工ゼオライト」技術に対する熱い要望が寄せられました。
 中国は豊富な石炭資源を有しており、エネルギーの多くを石炭火力発電に頼ってるため、副産物として大量の石炭灰が排出されています。この石炭灰を、多くの役立つ機能を持つ「人工ゼオライト」に転換して、この国に必要な土壌の改良などに有効利用する技術を紹介するとともに、関連産業創出の提案を行いました。
 特別講演セミナーに参加した若手研究者からは、本学で開発した「人工ゼオライト」の技術にたいへん興味を示し、「愛媛大学に来て研究してみたい」といった声が聞かれました。

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左)広東省広州市農業科学研究院の建物 右)特別講演セミナー、質疑応答及び院長感謝状贈呈の様子

<農学部>