平成22年1月30日(土)、愛媛県生涯学習センター県民小劇場において、医学部附属病院医療福祉支援センター及び腫瘍センターが、「第13回愛媛大学腫瘍センター講演会・第5回愛媛地域医療連携ネットワーク研究会」を開催しました。
今回の講演会・研究会は「がんになっても安心して暮らせる街づくりを目指して〜緩和ケアの視点と役割〜」をテーマに開催し、約140人が参加しました。
最初に、筑波大学大学院の木澤義之講師が、「緩和ケアと地域連携〜地域でつなげる緩和ケア〜」というテーマで基調講演を行いました。木澤先生は、終末医療と混同され、十分な理解を得られていない緩和ケアについて、「がんになったら緩和ケア」をキーワードに、フロアに降りて聴衆にマイクを向けながら、緩和ケアの真意や普及のための地域連携の必要性について話されました。
その後、パネルディスカッションを行い、8人のパネリスト【木澤氏、谷水正人氏(四国がんセンター統括診療部部長)、中橋恒氏(松山ベテル病院院長)、中矢孝志氏(株式会社ホームメディケア代表取締役、薬剤師)、藤川和之氏(愛媛県医療対策課課長)、松本陽子氏(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長)、本学医学部附属病院の坪田信三緩和ケア専従医師及び飛鷹範明がん薬物療法認定薬剤師】が様々な職種、立場から、「がんになっても安心して暮らせる街づくりを目指して」をテーマに、自宅での最期を望む人が多い中で、それが果たせない現実、在宅看護の充実と病院との連携の重要性などについて討議しました。特に、がんに代表されるように、治すよりも共存する疾患が増える中で、地域での緩和ケアの充実は、患者や家族に主体をおいた地域医療そのものの充実につながるという言葉からこのテーマの重要性が確認されました。
<医学部>