愛媛大学農学部では、平成22年6月19日(土)〜20日(日)、7月3日(土)の3日間にわたり、愛媛県立高校8校(西条農業高校、今治南高校、丹原高校、伊予農業高校、上浮穴高校、大洲農業高校、野村高校、宇和島水産高校)から、51人の参加者を得て、独立行政法人科学技術振興機構サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト「講座型学習活動」として採択された『多様なアプローチによる生物資源の最大活用:自然環境と人工環境』を開催しました。
本学農学部は、地域を支える意欲ある人材の育成・確保等を目的として、県下の14校の農業・水産関係高等学校と連携して教育に取り組むための協定を平成18年度に締結しました。その協定を実効あるものとするために、同年からサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)を活用しています。
毎年、意見交換会やアンケートを実施し、高校の要望を吸い上げ、それに応える形で、SPPのメニューを充実させてきました。今年度は昨年度の内容に南予水産研究センターを加えた愛媛大学農学部に関連するの5施設(農場、演習林、南予水産研究センター、植物工場、応用生命化学実験室)を利用した、高校では出来ない先進的な実験・実習に取り組みました。
講座全体のねらいは、実験・実習をとおして、今後ますます重要となる生物資源の現状と問題点を「自然環境」+「人工環境」の視点から総合的・俯瞰的に理解し、将来の可能性について多面的に考える能力を養成するとともに、進路(進学)意識の醸成をはかることです。
具体的なプロジェクト内容は、以下の2ステップから構成されます。
第1ステップは、森林の炭素蓄積機能を学ぶ「森」グループ、果実等の成分分析を学ぶ「里」グループ、遺伝仕組換え技術を学ぶ「遺伝子」グループ、人工環境下における植物生産技術を学ぶ「植物工場」グループ、効率的で持続的な養殖技術を学ぶ「海」グループの5グループに分かれて、2日間にわたる実験・実習を行います。
第2ステップは、各グループが実験・実習内容と成果をまとめる作業を行い、それを全グループの前で発表することで、参加者全員が5グループの成果を共有するとともに、それについて討論することにより、多面的に考える能力を養成します。
上記両ステップを通して、大学生をティーチング・アシスタントとする大学の施設での活動となるため、進路(進学)意識も醸成されると期待されます。
7月3日(土)の発表会終了後、受講生全員に修了証書が授与されました。
プロジェクト終了後のアンケートでは、ほとんどの生徒が理科や科学技術への興味を持ち、今後も同様なプロジェクトに参加したいと答えていました。
<農学部>