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医学部看護学科において薬害肝炎訴訟原告武田せい子さんによる講演会を実施

 平成20年1月16日(水)14時30分から、医学部看護学科第2講義室において、薬害肝炎訴訟原告団の一人、県内在住の武田せい子さんによる講演会を「薬害肝炎訴訟の原告となって」と題して実施しました。

 この講演会は、将来看護師を目指す学生を対象に、薬害防止に関する教育の一環として、医療倫理や社会医学及び人権学習的な観点から、薬害被害者の声を直接聞く目的で実施したもので、今回は看護学科3年生の特別講義として行いました。
 折しも、平成20年1月11日(金)に薬害肝炎救済法が成立し、本講演会の前日1月15日(火)には原告団と国(厚生労働省)との間での基本合意書の調印式に出席される等、大変お忙しい中、武田さんにお話をしていただくことができました。

 講演では、はじめに武田さんが自身の薬害肝炎について、その感染から現在に至るまでを順をおって説明されました。病気の苦しみや治療のつらさはもとより、家族に負担をかけてしまうことのつらさや、好きだった仕事が思うようにできないくやしさなど、薬害肝炎との闘いの日々の中での経験について講演されました。
 続いて薬害肝炎訴訟についてスライドを利用しながら説明され、「国と製薬会社は責任を重く受け止め、被害者救済へ全力で取り組んでほしい。」「原因究明を徹底し、今後二度とこのような薬害が起こらないようにしてもらわなければならない。」と話されました。その後、薬害肝炎患者についてのニュース映像のビデオを見て講演を終了しました。
 講演後、学生からは「これから医療現場に出て行く者として、患者様やそのご家族の幸せを守るため、今日のお話を心に刻み、もっと知識をつけていきたい。」「自分の行う行為が患者様の安全をおびやかすことがないか、社会に目を向けることの大切さを実感した。」「語るのもつらい話をしていただいてありがとうございました。」などの感想が寄せられました。また、武田さんからも「入院中には看護師さんに話を聞いてもらって、気持ちが軽くなったことがあった。落ち込んでいる患者さんの話を聞いてあげてください。」と言葉をいただきました。
 今回は看護学科3年生を対象とした講演会でしたが、社会的にも大きな注目を集めている問題について、その当事者から直接お話をいただける貴重な機会ということもあり、他学年の学生や多くの教職員が参加し、その関心の高さがうかがえました。

医学部総務課