平成29年9月14日(木)、愛媛県庁知事会議室で、河内晩柑果汁飲料の摂取による認知機能の維持・改善効果に関する研究成果の報告会を行いました。
この研究は、愛媛県の戦略的事業の一つとして取り組んできたもので、愛媛県、松山大学、愛媛大学、株式会社えひめ飲料が共同し、愛媛県産品である河内晩柑に多く含まれる機能性成分「オーラプテン」が認知機能に与える影響について、平成26年度から試験等を実施してきたものです。
松山大学薬学部の古川美子教授らは、柑橘の機能性成分に着目して研究を行い、オーラプテンが脳に移行して脳内で抗炎症作用を示すことを発見しました。また、河内晩柑果皮のオーラプテン含量は、他の柑橘に比べて特異的に高いことや脳保護作用があることを明らかにしました。そこで、株式会社えひめ飲料において、河内晩柑の果汁と果皮ペーストを調合し、果皮入りの飲食品を開発しました。その製品を利用し、愛媛大学大学院医学系研究科・伊賀瀬道也特任教授が、愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センターでの抗加齢ドック受診者を対象に、毎日1本(125ml)を6ヶ月間飲み続けることによる認知機能の評価を、その前後の10単語想起テストによって実施しました。その結果、認知機能スコアが改善したことから、河内晩柑果汁飲料が認知症の予防に有効であることが確認されました。
研究成果の報告を聞いた中村時広愛媛県知事は、「愛媛県の戦略的な事業として実施したこの共同研究は当初から注目しており、こんなに早く成果を得られて嬉しく思う」と述べられました。また、実際に開発された飲食品を試飲し、「さっぱりしていて飲みやすく、毎日でも飲むことができそうだ」と、河内晩柑の香りや舌触り、飲みやすさを感じられているようでした。
この飲食品は、関係4者共同による特許を出願しており、今後、消費期限等の改良を重ね商品化を目指します。
<医学部>