2003年に愛媛大学大学院連合農学研究科を修了し、現在はネパールJICA帰国研修員同窓会(JAAN)会長、JICA南アジア地域協力連合同窓会評議会(JAAFSC)事務総長として活躍しているRam Chandra Bhusal氏が2017年11月17日に大上連合農学研究科長を表敬訪問しました。
Bhusal氏は農学研究科修士課程に1998年に入学後、2000年に連合農学研究科博士課程へ進学、2003年に修了しました。修了後は、ネパールへ帰国し、その後、彼の素晴らしいキャリアが始まり、今に至るまで、そのキャリアはネパールと日本の間で発展し続けています。Bhusal 氏は、日頃、ネパールと日本の橋渡しとなって優秀な留学生を紹介することで、本研究科の使命である、優秀な留学生を積極的に受入れ、将来を担う研究者を育成することに貢献しています。彼は私たちの教育理念のひとつである、先見性と独創性のある研究を通して、世界に通用する多くの研究成果を産み出しながら、地域に役立つ人材、地域の発展を牽引する人材を育成することのロールモデルとなってくれている修了生の一人です。Bhusal氏のような修了生の活躍、成功を見られることはとても嬉しく、今後の更なる活躍が期待されます。
Bhusal 氏より連合農学研究科での思い出、現在に至るまでの経歴、日頃の活動等のメッセージを頂きました。
【Bhusal氏からのメッセージ】
私は2000年4月から2003年3月まで大学院連合農学研究科博士課程に在籍し、博士号を取得しました。私の大学農場の研究室は北条市という離れた場所にあり、そこに在籍する生徒数はかなり少なかったです。私たちの研究室では、果物がよく採れ、収穫時期には季節の果物を大いに楽しみました。私の主指導教員であった、水谷房雄先生は、いつも農学部に在籍する留学生みんなに果物を配り、残った果物を持って帰るよう、勧めてくれました。また、水谷教授は北条にある研究室から、愛媛大学の農学部まで残りの果物を先生の車で運んで下さいました。私は沢山の果物を留学生のみんなと分け合ったり、時には、日本人の学生・教授の先生方へ配ったりもしました。そんな美味しい果物をいつも配っていたので、収穫の時期には、私の留学生の友達はみんな北条の農場へ行きたがりましたが、彼らは私たちが猛暑や極寒でも畑の世話をしていることを知りませんでした。勤勉に働き、勉強し、研究することは修了するときに大きな幸せをもたらしてくれます。それは果物を栽培し収穫することと似ていると思います。果樹を植え、肥料を与え、土地を管理し、剪定等を行う作業はとても難しく大変な作業です。しかし収穫は、とても嬉しくて、楽しい作業です。同様に、研究や実験はとても難しく大変ですが、学生にとって修了する日は農家にとっての収穫の日です。1年中、一生懸命に果物を育てた後に収穫があるように、懸命な実験や研究を経て修了の喜びがあるのです。私はいつも修了までの研究や実験を収穫までの一年の果物を作り上げていく過程にたとえるのです。
【Bhusal 氏の経歴】
-1年間愛媛県果樹研究センターにてJICA 国別研修(1997 /98)
-愛媛大学農学研究科修士課程に入学(‘98.04)その後、連合農学研究科博士課程へ進学し(’03.03)に博士号を取得
-ネパールへ帰国し、ネパールの農業プログラム(USAID 協力プログラム)Winrock International で観察・評価チームリーダーそして農業プログラムコーディネータ-として働く(‘05.01-’09.09)
-愛媛大学農学部外国人研究員(‘09.10-’09.12)
-野菜種プロジェクト(スイス協力プログラム)にて農業・価値連鎖専門家として働く(‘10.02-’14.12)
- JICAネパール帰国同窓会(JAAN)にて地域活性化プログラムコーディネーター(’15.01-‘16.06)
ー日本ネパール友好センターとJICA支援の地域活性化プロジェクトにてチームリーダー兼農学専門家として働く(’16.07-)
ー最近の活動としては、JICA資金提供によって実行するNGO団体Peace Winds Japanの、所得創出プロジェクトにてチームリーダー兼農業専門家として働く
【加入団体】
会長:JICAネパール帰国研修員同窓会
事務総長:JICA南アジア地域協力連合同窓会評議会(JAAFSC)
愛媛県政府親善大使(愛媛県とネパールの友好を築く為)
終身会員:ネパールの日本大学同窓会(JUAAN)
執行委員:Kathmanduのネパール園芸術会
組合長:KathmanduのWhite Rose Cooperative
委員長:KathmanduにてTahachal 社会福祉委員会
顧問:NGO団体 ISAP(繁栄の為の適切な行動の機関)