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愛媛大学と大日本住友製薬株式会社との共同研究成果を元にしたマラリアワクチン開発プロジェクトに、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」からの助成金交付が決定しました【3月28日(木)】

 このたび、グローバルヘルス技術振興基金 (GHIT Fund:ジーヒット・ファンド) からの助成案件が2019年3月28日に発表されました。その内の1件が、愛媛大学プロテオサイエンスセンター・高島英造 准教授を含む研究グループによる「新規赤血球期マラリアワクチンの開発」で、約9,300万円交付されることになりました。
 GHIT Fundは、日本政府、複数の製薬会社、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカムトラスト、国連開発計画(UNDP)が参画する日本で初めての国際的な官民パートナーシップです。GHIT Fundは、開発途上国の人々を苦しめるマラリア、結核、顧みられない熱帯病などの制圧を目指して、投資やパートナーシップによる製品開発に取り組んでおり、日本の製薬会社や研究機関と連携して、新規治療薬、ワクチン、診断薬の創出に注力しています。
 本プロジェクトは、愛媛大学プロテオサイエンスセンター、European Vaccine Initiative(ドイツ)およびiBET(ポルトガル)との国際共同研究で、研究期間は2019年4月から2021年3月までの2年間を予定しています。大日本住友製薬は、ワクチン開発に関わる免疫アジュバント技術の研究開発経験に基づいて、アドバイザーとして本プロジェクトをサポートします。
 本プロジェクトで開発を目指すワクチンは、マラリアの発病予防を目的としたもので、熱帯熱マラリア原虫のPfRipr5と呼ばれるタンパク質を抗原として用います。PfRipr5は、愛媛大学と大日本住友製薬の共同研究によって見出された、新規の赤血球期マラリアワクチン抗原です。これまでの赤血球期マラリアワクチン候補は、流行地のマラリア原虫の抗原多型によって有効性が示されませんでした。一方、PfRipr5はマラリア流行地の原虫において高度に保存されているため、その有効性が大いに期待できます。
 これから開始する非臨床試験が完了次第、本プロジェクトの関係者は速やかに臨床試験を開始することを目指しています。この研究が成功すれば、これまで開発が困難を極めていた赤血球期マラリアワクチンの開発を加速することができ、マラリア撲滅に向けた一歩につながります。

<プロテオサイエンスセンター>