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沿岸環境科学研究センター(CMES)の千種佳織さん、熊川貴仁さん、Dave Robledoさんが第2回環境化学物質3学会合同大会で若手奨励賞等を受賞しました【6月2日(金)】

令和5年5月30日(火)~6月2日(金)、徳島県徳島市で第2回環境化学物質3学会合同大会(第31回環境化学討論会・第25回環境ホルモン学会研究発表会・第27回日本環境毒性学会研究発表会)が開催されました。この大会で、沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の環境毒性学研究室(岩田久人教授)の千種佳織さん・熊川貴仁さん(大学院理工学研究科博士前期課程)、Dave Robledoさん(同研究科博士後期課程)が優れた発表をおこない、学生に授与される賞を受賞しました。

千種さんは、環境毒性学会の「若手奨励賞」を受賞しました。発表題目は「有機リン系難燃剤 リン酸トリス(2-クロロ-1-メチルエチル)(TCIPP)曝露によるニワトリ初期胚の発生毒性評価」で、口頭発表をおこないました。千種さんの研究では、近年世界中で使用が拡大している有機リン系の難燃剤の一種、TCIPPが野生鳥類から検出されたことに着目し、鳥類胚に与える影響をニワトリ胚の殻なし孵化装置を用いて経時的に調べました。その結果、体節形成への影響とその分子作用機序を解明しました。

熊川さんは、環境ホルモン学会の「森田賞」を受賞しました。発表の題目は「Chemoinformaticsとin silico解析を組み合わせたin vitroイヌエストロゲン受容体転写活性化能予測のQSARモデル」で、口頭発表をおこないました。熊川さんは、プラスチック製品や化粧品などに含まれるビスフェノール類縁化合物や紫外線吸収剤などの室内環境汚染物質が、愛玩動物であるイヌに与える影響に注目し、イヌのエストロゲン受容体の遺伝子転写活性化能に及ぼす影響をインビトロ実験法で解析しました。さらに、汚染物質の物理化学的特徴やコンピューターを用いた計算を組み合わせ、活性化能のある汚染物質とそうでない物質を判別するための手法を開発することに成功しました。

Robledoさんは、「環境化学物質3学会ナイスプレゼン賞」を受賞しました。発表演題は「DDTsによるシャチのエストロゲン受容体α(ERα)の転写活性化能評価:in vitro および in silico アプローチ」で、ポスター発表をおこないました。Robledoさんは、かつて世界中で使用されていたDDTやその代謝物が、現在も海洋生態系の頂点に位置するシャチに蓄積していることに注目しました。そのリスクを評価するため、シャチのエストロゲン受容体の遺伝子転写活性化能に与える影響を、インビトロ実験法で調査しました。

3つの発表は、各学会の実行委員による審査を経て、研究目的の明確さ、発表の明瞭さ、質疑応答の適切さなどが評価され、今回の受賞に至りました。

授賞式 左からDave Robledoさん、千種佳織さん、熊川貴仁さん

<沿岸環境科学研究センター>