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大学院農学研究科の倉澤智樹助教が「日本地下水学会研究奨励賞」を受賞しました【11月16日(木)】

令和5年11月16日(水)から18日(土)に、富山県民会館にて対面・オンラインで開催された「日本地下水学会2023年秋季講演会」において、大学院農学研究科の倉澤智樹助教が「日本地下水学会研究奨励賞」を受賞しました。本賞は、地下水学会誌に発表した倉澤助教が筆頭著者である論文に対し授与されたものです。

南西諸島の地下には、穴ぼこだらけ(多孔質)で水を通しやすい琉球石灰岩が広く分布しています。このため、雨水は速やかに地下にしみ込んで海に流れ出てしまうので、川が少なく、農業用水や生活用水の多くが地下水に依存しています。一方、琉球石灰岩が穴ぼこだらけということは、その穴にたくさんの地下水を貯める余地があるということになります。この琉球石灰岩の貯留特性を活用すべく、地下に壁を設けて地下水を貯める地下ダムが開発されつつあります。しかしながら、地下ダムの建設は地下水の動きを人工的に大きく変容させるため、建設後における地下環境の適切管理が重要な課題となります。特に、地下ダム近傍での地下水の動き(流速)を評価することは肝要です。ただ、一般に使用される地下水流速の計測手法には、高価かつ機動性の悪い方法が多く、ダム近傍の網羅的な観測には向いていません。そこで、本研究では、ボーリング孔に塩水を注入し、その塩水の希釈状況を観測することで流速を測る、安価かつ機動性の高い単孔式希釈試験を適用し、地下ダムサイトの地下水流を捕捉することに成功しました。

この研究成果が優れたもので将来が期待されると評価され、研究奨励賞の受賞に至りました。

論文情報

琉球石灰岩帯水層を対象とした地下水流速と間隙率の評価
倉澤智樹・髙橋仁太郎・前野一稀・鈴木麻里子・井上一哉:地下水学会誌, Vol.64, No.2, pp.189-200, 2022.
(DOI:https://doi.org/10.5917/jagh.64.189

<大学院農学研究科>