令和5年12月19日(火)、愛媛大学先端研究・学術推進機構プロテオサイエンスセンター(PROS)とガーナ大学 野口記念医学研究所(Noguchi Memorial Institute for Medical Research)は、両機関の学術の交流と協力関係を促進するため、学術交流協定を締結しました。
ガーナ大学野口記念医学研究所は、先進的医学研究を目的に半独立的な研究機関として、1979年に日本のODAによってガーナ大学内に設立されました。ガーナ共和国で黄熱病により亡くなった野口英世を偲ぶため、その名前を取って野口記念医学研究所と名付けられました。
PROSマラリア研究部門の高島英造准教授は、愛媛大学発のコムギ無細胞タンパク質合成法を最大限活用して、マラリア原虫のゲノム網羅的なプロテインアレイを作製し、ハイスループットな抗体マーカー探索システムを確立しました。高島准教授は、それを用いて、野口記念医学研究所のLinda Amoah准教授らと共にガーナにおける無症状マラリア原虫キャリアを検出する診断法の確立を試みています。また、Amoah准教授と他プロジェクトにおいても密に共同研究と交流を行っています。さらに、JICAの学生ボランティア派遣を通じてコムギ無細胞タンパク質合成技術を中心とした技術貢献を進めており、今後においても幅広い交流が見込まれています。
この学術交流協定が締結されることによって、PROSが得意とするマラリアタンパク質研究が、マラリア流行地におけるフィールドに根ざしたマラリア研究をさらに発展させ、世界に先駆けてアフリカ諸国でのマラリア撲滅につながるものと期待されます。将来的には、両研究機関が情報、技術及び研究者交流を通してより密に連携できる熱帯感染症研究ネットワークを構築し、マラリアを含む包括的な感染症対策が開発できるよう、発展させていきたいと考えています。
<プロテオサイエンスセンター>