令和6年10月4日(金)、愛媛大学先端研究院プロテオサイエンスセンター(PROS)の今井祐記教授と酒井大史特任講師が記者説明会「男性ホルモンが骨格筋を制御する新たなメカニズムを解明」を実施しました。
PROSの今井祐記教授、酒井大史特任講師らの研究グループは、九州大学生体防御医学研究所の大川恭行教授、上住聡芳教授らとの共同研究により、男性ホルモン(アンドロゲン)が、骨格筋の間葉系前駆細胞に発現するアンドロゲン受容体(AR)を介して、骨格筋の量を制御していることを解明しました。
男性ホルモンは、その名前のとおり、男性の性的特徴(第二次性徴)の形成を促進する重要な役割を持っています。さらに、男性ホルモンは、アナボリックステロイドという別名が示すとおり、タンパク質同化作用(アナボリック作用)を持っており、人体に投与すると骨格筋が肥大することが知られています。しかしながら、その作用機序に関しては不明な点が多くありました。
今回の研究では、骨格筋の間葉系前駆細胞にARが発現していること、また間葉系前駆細胞特異的にARを欠損させると骨格筋の量が減少すること、さらにARがIGF1の発現を調整することで、骨格筋量を制御していることを明らかにしました。本研究は、男性ホルモンによる骨格筋制御の新たなメカニズムを提示しており、筋萎縮の予防・治療方法の開発につながることが期待されます。
本研究成果は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」の電子版に公開されました(令和6年9月19日(日本時間))。また、令和6年10月5日(土)付けの愛媛新聞でも取り上げられました。是非ご覧ください。
論文
参考
■ プレスリリース(令和6年10月1日付)
■ 新聞掲載(令和6年10月5日付愛媛新聞)
<プロテオサイエンスセンター>