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プレスリリース

重症熱性血小板減少症候群の有効な治療法の開発につながる臨床研究成果を発表

 愛媛大学の安川正貴副学長(大学院医学系研究科・教授)が、長崎大学・河野茂学長および国立感染症研究所ウイルス第一部・西條政幸部長とともに自主研究組織を立ち上げ、治療法が確立されていない「重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)(※1)」の新規薬物療法に関する臨床研究を行ってきました。
 本研究は、これまでの基礎研究並びに国立感染症研究所が実施した動物実験によりSFTSに有効である可能性が示されている富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が創製した抗ウイルス薬「アビガン錠®」(一般名:ファビピラビル)の治療効果と安全性を調べるため、西日本の医療機関34施設が、地方衛生研究所の協力を得て、平成28年5~12月に実施した医師主導型臨床研究です。
 このたび、その研究成果がまとめられ、平成29年10月26日に開催された「第87回日本感染症学会西日本地方会学術集会・第60回日本感染症学会中日本地方会学術集会・第65回日本化学療法学会西日本支部総会」において、愛媛大学医学部附属病院・東太地講師により発表されました。
 研究を主導した安川正貴副学長は、今回の研究により、有効な治療法の開発につながる知見を得たと考えています。
(※1)重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
 SFTSは、2011 年に中国の研究者らによって発見されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルスによるダニ媒介性感染症で、我が国においてもこれまでに300例以上が確認されています。重症例では神経症状、出血傾向、血球貪食症候群、多臓器不全などが出現する致命率が極めて高いウイルス感染症です。

*研究成果の概要はプレスリリース資料をご参照ください。

 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」(研究開発課題名:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に対する診断・治療・予防法の開発及びヒトへの感染リスクの解明等に関する研究)において採択され、公的資金援助をうけて実施したものです。

プレスリリース資料はこちら(PDFファイル 322KB)

お問い合わせ先

愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学講座 教授 安川 正貴

Tel 089-960-5296