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プレスリリース

超巨大ブラックホールは銀河進化と無関係?-アルマ望遠鏡で見えてきた、電離ガス流と分子ガスの意外な関係-

 台湾中央研究院天文及天文物理研究所の鳥羽儀樹 研究員、工学院大学教育推進機構の小麦真也 准教授、愛媛大学宇宙進化研究センターの長尾透 教授らを中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、中心部から電離ガスを非常に激しく放出している活動的な銀河を観測しました。観測の結果、銀河に含まれる一酸化炭素ガスの検出に成功したと同時に、この一酸化炭素ガスが銀河中心からの激しい電離ガス流の影響をほとんど受けずに銀河中に存在していることが明らかになりました。これまで、超巨大ブラックホールが存在する銀河中心部からの電離ガス流は周囲の分子ガスの運動や星形成活動に大きな影響を及ぼすと考えられてきましたが、今回の結果は、超巨大ブラックホールと銀河は必ずしも影響を及ぼし合っているわけではないことを示唆しており、アルマ望遠鏡によって、超巨大ブラックホールと銀河の共進化の謎がさらに深まったと言えます。
 この研究成果は、2017年12月20日に発行された米国天文学誌『アストロフィジカルジャーナル』に掲載されました (Toba, Komugi, Nagao, et al. 2017, “No Sign of Strong Molecular Gas Outflow in an Infrared-bright Dust-obscured Galaxy with Strong Ionized-gas Outflow”, The Astrophysical Journal, 851巻)。当該論文のプレプリントは
https://arxiv.org/pdf/1711.10091.pdf
から入手可能です。

発表者

鳥羽儀樹(台湾中央研究院 研究員、愛媛大学宇宙進化研究センター 客員研究員)
小麦真也(工学院大学教育推進機構 准教授)
長尾透(愛媛大学宇宙進化研究センター 教授)  ほか

発表機関

自然科学研究機構 国立天文台、台湾中央研究院 天文及天文物理研究所、愛媛大学、工学院大学

発表方法

ウェブサイトでの研究成果公開(ウェブ発表)
発表内容を下記ウェブサイトに掲載します。

アルマ望遠鏡(国立天文台)
https://alma-telescope.jp

研究発表内容
https://alma-telescope.jp/news/press/dog-201802

 

プレスリリース資料はこちら(PDFファイル 120KB)

お問い合わせ先

愛媛大学宇宙進化研究センター 教授 長尾透(ながお とおる)

Tel 089-927-9965
Mail  tohru@cosmos.phys.sci.ehime-u.ac.jp