1細胞スケールで見えてきた膨圧刺激によるカルジオリピン合成に同期したクリステの形態変化
概要
愛媛大学大学院農学研究科 和田博史教授、野並浩名誉教授、畠山友翔助教、愛媛大学大学院連合農学研究科博士課程 中田佳佑、ブエノスアイレス大学有機化学科・国家科学技術研究会議(CONICET)のロザ エラ・バルセルス教授の国際共同研究チームは、塩ストレス処理後の生きた状態のトマト植物中の1細胞を対象に行った原形質流動速度・水分状態・代謝産物の連続計測・透過型電子顕微鏡解析から、膨圧変化を介する一時的なカルジオリピン合成の増大と、これに同期したミトコンドリアのクリステの構造変化による細胞内のエネルギー代謝維持の仕組みを世界で初めて実験的に明らかにしました。本研究成果は、2022年7月1日(金)にイギリス・ドイツに本拠を置くSpringer Natureが刊行する国際学術誌、「Scientific Reports」の電子版で公表されました。なお、本研究は、JSPS科研費(24228004、19J13330、20J01211、22H00369)、住友財団 2021 年度基礎科学研究助成、愛媛大学研究業績数改善促進費の支援を受けて行われました。
発表雑誌
掲載誌:Scientific Reports
DOI番号:10.1038/s41598-022-14164-3
題名:Dynamics and stabilization mechanism of mitochondrial cristae morphofunction associated with turgor-driven cardiolipin biosynthesis under salt stress conditions
著者:中田佳佑1, 畠山友翔2, ロザ エラ-バルセルス3, 野並浩2, 和田博史1,2,*
1 愛媛大学大学院連合農学研究科
2 愛媛大学大学院農学研究科
3 ブエノスアイレス大学有機化学科・国家科学技術研究会議(CONICET)
*責任著者
論文URL:https://doi.org/10.1038/s41598-022-14164-3
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国立大学法人愛媛大学 大学院農学研究科 食料生産学科 植物工場システム学コース 植物細胞システム計測学
教授 和田 博史(わだ ひろし)
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