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プレスリリース

愛媛大学が参画するマラリア制御法開発の研究プロジェクト(代表:長崎大学)がSATREPS課題として採択

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が連携して実施するScience and Technology Research Partnership for Sustainable Development(SATREPS、サトレップス)事業に、長崎大学の研究課題が条件付きで採択(※)されました。本事業は日本と開発途上国の研究機関が協力し、感染症分野で地球規模課題の解決に繋がる新たな知見の獲得や、その成果の将来的な社会実装、それを持続可能にするための人材育成を目指しており、長崎大学が目指すプラネタリーヘルスの理念と合致するものです。

この採択された研究課題には、愛媛大学から沿岸環境科学研究センターの渡辺幸三教授とプロテオサイエンスセンターのCULLETON Richard教授が参画しています。

研究課題名 :統合的ワンヘルスアプローチにおける人獣共通マラリアの持続的制御法の開発
研究代表者名 :金子 修(長崎大学熱帯医学研究所 教授)
研究期間(予算規模) :2025年4月~2030年3月(総額約4億5千万円)
相手国名 :マレーシア
相手国研究機関名 :サバ大学
日本側研究機関名 :長崎大学(代表研究機関)、愛媛大学、東京女子医科大学
協力企業 :栄研化学(株)、ACCVA Solutions Sdn.Bhd.

研究概要

マレーシアでは毎年 3000 人もがサルマラリアに感染し、問題となっている。また、他の東南アジア諸国でも人のサルマラリア感染症例が増加している。現在はヒト間伝播の報告はないが、ヒト間伝播が起きると世界に拡散する恐れがあるため、その阻止が喫緊の課題である。この問題に対応するため、本事業では、マレーシア・サバ州をフィールドとして、サルマラリア患者数を大幅に減少させる技術と戦略の開発を目指す。具体的には、新規マラリア迅速診断法の開発、自動媒介蚊幼虫制御法の開発、リスク地域・時間・行動の同定、リスク教育プログラムの開発と社会実装、これらを統合したサルマラリア制御のためのワンヘルス戦略を構築する。これにより、マレーシアの公衆衛生上の負担と経済的損失が軽減し、ヒト間伝播を抑制することが出来る。

※条件付き採択

採択された研究課題は、今後、外務省による相手国政府と、実施に係る国際約束の締結、それに続いてJICAによる相手国関係機関との実務協議を経た後、研究課題ごとに正式に共同研究を開始する。しかし、相手国関係機関との実務協議において、研究課題名や研究内容の変更、研究期間の短縮、および相手国情勢などにより合意に至らず、国際共同研究を開始できない可能性があるため、現時点では「条件付き」での採択としている。

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学沿岸環境科学研究センター 教授  渡辺幸三