プレスリリース

月は私たちが思うよりも鉄が多い?
月の直方輝石における弾性波速度測定から月の鉄分量を推定

愛媛大学先端研究院地球深部ダイナミクス研究センターなどからなる研究チームは、月内部に相当する高圧高温条件下で、月のマントル組成の直方輝石の弾性波速度(P波およびS波速度)を測定しました。

得られた実験データを、NASAのアポロ計画で得られた地震観測モデルと比較した結果、月の上部マントル(深さ40〜740 km)は、これまで考えられていたよりも鉄を多く含む可能性が高いことが明らかになりました。

この新たな知見は、地球—月系の形成および進化の理解に重要な示唆を与えるものです。

本研究成果は、2026年2月16日付でJohn Wiley and Sons Incから刊行された地球科学分野の学術誌「Geophysical Research Letters」に掲載されました。

月の構成鉱物の弾性波速度を測定することで、月の内部構造を探る

研究成果のポイント

  • 月マントルの主要鉱物と考えられる直方輝石のP波・S波速度を高圧高温条件(最大5.5万気圧、1000℃)で測定。
  • 直方輝石の体積弾性率および剛性率は鉄含有量の増加に伴い減少する。
  • 月の地震波速度および密度の観測結果と比較すると、月の上部マントルは鉄を豊富に含む可能性が高い。

論文情報

掲載誌:Geophysical Research Letters
題名:P- and S-wave Velocity Measurement of Lunar Orthopyroxene up to 5.5GPa and 1,273K: Implication for the Iron Content of the Lunar Upper Mantle
 (和訳)
著者:Yoshihiro Inoue, Yoshio Kono, Steeve Gréaux, Jie-Jun Jing, Sho Kakizawa, Itaru Ohira, Noriyoshi Tsujino, Yuji Higo
DOI:10.1029/2025GL118120
URL:https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2025GL118120

お問い合わせは、お気軽に下記までお寄せください。

愛媛大学先端研究院地球深部ダイナミクス研究センター
准教授 Steeve Gréaux