愛媛大学先端研究院沿岸環境科学研究センターの牛島悠介助教は、気候モデルを解析し、北太平洋における海面水温の誤差と偏西風の位置の誤差との関係性を明らかにしました。
将来の気候変動の予測には、気候モデルと呼ばれる数値モデルが用いられています。その予測の信頼性を高めるためには、現在の気候をより正確に再現することが重要です。しかし、気候モデルで再現された現在の気候には、実際の観測との間にさまざまな誤差が生じます。
本研究では、世界各国で開発された気候モデルを解析し、北太平洋における海面水温の誤差と偏西風の位置の誤差との関係を調べました。その結果、ほとんどの気候モデルで偏西風が実際より南側にずれており、そのずれが海面水温の誤差と密接に関係していることが分かりました。さらに、数値シミュレーションにより、特に北西太平洋の海面水温の誤差が、偏西風が南側にずれる重要な要因であることを示しました。
本研究の成果は、海面水温をより正確に再現することが、気候モデルにおける大気循環の再現性や将来予測の精度向上につながることを示唆しています。
この研究成果は、米国地球物理学連合(AGU)の論文誌「Geophysical Research Letters」に8月28日付で掲載されました。

研究成果のポイント
- ほとんどの気候モデルが北太平洋の偏西風を実際より南に再現
- 偏西風の位置の誤差と海面水温の誤差との密接な関係
- 数値シミュレーションにより、特に北西太平洋の海面水温の誤差が偏西風の南へのずれに重要であることを解明
- 気候モデルにおける大気循環の再現性や将来予測の精度向上に向けた知見
論文情報
掲載誌:Geophysical Research Letters
題名:Assessing the impact of sea surface temperature biases in CMIP6 coupled models on the North Pacific westerly jet
(和訳)CMIP6結合モデルの海面水温バイアスが北太平洋偏西風ジェットに及ぼす影響
著者:Yusuke Ushijima, Ryo Mizuta, Shion Sekizawa, Hiroyuki Tsujino
DOI:10.1029/2026GL124012
