水中に存在する3000℃の火の玉・その基礎と応用に世界が注目

block_18537_01_m常温の水の中で、数千度の火の玉(プラズマ)を作ったら、どうなるのか?そもそも、そんなことって可能なのか?そんな素朴な思いから、研究が始まりました。試行錯誤の末、できたのがこの水中プラズマ。効率よく、最強の活性酸素であるOHラジカルを発生させます。このOHラジカルで、難分解化学物質をきれいさっぱりと分解することができます。

 

研究の特色

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写真奥は指導する奥村技術専門職員

温度計でも測れない3000℃の火の玉。それを目の前の水の中で実現してみました。100℃くらいの気泡の膜で40℃の水に接しています。この3000℃の中に水分子H2Oが入ると、Hが1つとれて、OHになります(OH−イオンとは違って、電子が足りないので反応したくてしょうがないのです)。これが水を浄化してくれるわけです。  そもそも、3000℃って、どうやって測るのか?それは「分光」です。プリズムを使うと光を分けられますよね。どの色の光がどのくらいの強度で来ているか調べれば温度がわかります。って、これ測るのも結構苦労したんですよ。 

 

研究の魅力

block_18539_01_m研究って、普段はこつこつ頑張っているんだけど、だいたい、空振りしてるんですよ。僕の場合は特に打率が低い気がしますね。予想が外れたり、思ってもみない現象が起こったり、果ては装置が壊れたり。でも、そんな中でも時々、クリーンヒットが打てたり、ホームランが出たりするんですよ。だから、止められえませんね。それに、野球と同じで、仲間がいますからね。自分がスランプでも支えてくれるんですよ。

 

研究の展望

写真は3000℃のプラズマが水中に安定に維持されている状態

写真は3000℃のプラズマが水中に安定に維持されている状態

効率をあげたり、メカニズムを解明したりして、実用化したいですね。自分が開発したものがみんなの役に立つと最高ですね。もしかしたら、滅菌にも応用できるかもしれないし。 

 

 

 

 

 

 

この研究を志望する方へ

この分野は物理や化学など幅広い知識が必要です。でも、何より「実験」が好きなことかな?あとはものづくり。自分の実験装置は自分で作れないとね。