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2017.07.18
ライフステージに応じたヘルスケアについての研究
教育・学生支援機構 / 講師 垣原 登志子 / 専門:食環境・食教育

※記載内容は掲載当時のものです。

日本人の食の現状を把握し、ライフステージに応じたヘルスケアを明らかにする

垣原講師の写真です 私たちの食生活は、戦後の経済成長による社会の発展、一般市民のライフスタイルの変化により大きく変化しました。また、核家族化、女性の社会進出、それらの社会事情に伴い、私たちの毎日の食事も変化しました。米の消費が減少する一方で、肉類や乳製品などの動物性たんぱく質を多く摂取するようになったことが大きな変化だと思います。現在では、日本人のたんぱく源は、肉類と牛乳・乳製品などの動物性たんぱく質となり、そのあと魚介類、米・穀物などで摂取するという状態になっています。

 

日本人の食生活の変化の図です

 こうした食生活の変化は、私たちの健康に大きな影響を与えていることはいうまでもありません。また、単に食事メニューの西洋化だけでなく、利便性の追求、効率化が進んだために、現代の私たちの食生活はかつての日本食とは大きく変化し、結果として高カロリー、高脂肪、高糖質の食習慣を生み、様々な生活習慣病を引き起こす要因をもたらしています。さらに、従来は「過剰栄養」、「低栄養」は個々の問題でしたが、現代では1人の人生において、「過剰栄養」と「低栄養」が起こりうることがわかり、いつの時期から変更すればよいのか問題となっています。私の研究では若者を中心に食の実態調査を行い、ライフステージに応じたヘルスケアについて研究を行っています。

研究の特色

 愛媛大学では、平成19年度から農学部で、平成21年度からは全学の学生を対象に食教育に取り組んでいます。食への正しい誘いプログラムでは、「食」への知識・意識をもたせることを目的に、新入生1,800人を対象に授業を実施し、学生の食事調査(1週間分)を行っています。その結果を踏まえ、約10%の学生に栄養指導を行うと共に、食に関する問題点を抽出し、研究を行っています。「愛媛大学食育士」プログラムでは、食を総合的に理解し、その大切さを伝えることのできる人材を養成することを目的としています。食育士養成コースの学生を主に、一般の学生にも声をかけ、参加した学生らが中心となり、企業あるいは行政と共にレシピ開発や商品開発等の事業にも取り組んでいます。
 さらに、大学生の食・生活等の実態を把握し、その中から問題点を抽出できるのが強みです。大学生の食事情を基に、大学生向けの食育テキストや中食を利用した料理本などを作成し情報提供を行い、簡単料理法や野菜の保存法等のDVD作成し、動画配信を行っています。これに加え、食育に関するホームぺージを開設し、日常生活に役立つ情報の発信に努めています。

食教育のテキストの写真です

食教育のテキスト

研究の魅力

 食は全ての世代に共通した問題であるため、ライフステージにあった食の重要性を伝える必要があります。食の課題は、栄養のアンバランスや健康寿命延伸・健康格差だけでなく、食の安全・安心、食文化、食料自給率など非常に多様です。国民の関心も多様ですから、色々な食問題の中から興味があることから知っていただくことが大切で、これが食の知識および意識の向上に繋がると思います。ただし、「食」については食べることが基本ですから、健康や栄養という視点は重要だと思います。健康や栄養と何を組み合わせるのか、色々な組み合わせが考えられるのが魅力です。

今後の展望

 今後は、ライフステージごとの食問題が多様化し、問題解決も複雑になってくる可能性があります。「食べない人はダメ」、「自己管理をしなさい」というだけではなく、個々の食生活の資質向上のためには、個々の行動を変えるための栄養教育や指導をしやすい環境の整備が重要だと考えています。

この研究を志望する方へ

 「食」についての話は子供からお年寄りまで内容を問わなければできますが、内容に関しては誤った知識のまま思い込んでいる場合もあります。食を志す人は「食」、「栄養」、「健康」だけではなく「農」、「法律」、「経済」などあらゆる分野に関心を持つことが大切だと思います。研究としてどのような形にまとめるのか課題は多いですが、「食」の取組は人の生活と密着しているためとてもやりがいがある仕事だと思います。

研究者プロフィール