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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2016.05.19
ひとつでもよいから夢中になれるモノを見つけよう

宮田 竜彦 講師

●大学院理工学研究科 数理物質科学専攻
●液体論

 皆さんには夢中になれるものがありますか?勉強だけでなく、スポーツや趣味でもかまいません。夢中になるということは知識やスキルを向上させるための重要な要素のひとつだと思います。「好きこそ物の上手なれ」という言葉はまさにこのことを言っていると思います。

 私自身は、学生のときには工学部に在籍していました。工学部で求められるのは「世の中の役に立つ」研究です(例えば高性能な洗剤の開発など)。私が夢中になるものに出会ったのは大学院進学後でした。当時の指導教員から与えられた研究テーマがきっかけです。ただし、(当時の指導教員には申し訳ないのですが)与えられたテーマに対して最初から夢中だったわけではありません。なぜならそのテーマは、すぐに世の中の役に立つ研究ではなかったからです。世の中の役に立つ研究をしなさいという教育を受けていた私にとっては、何の役に立つか分からない(ように見えた)テーマが魅力的ではなかったのです。しかし、研究を進めていくうちにその面白さにハマりました。とにかく、分からないことをひとつひとつ明らかにし、理解をどんどん深めていくのが楽しくて仕方なかったと記憶しています。

 工学部での研究にも当然、分からないことを明らかにするという側面はあるのですが、最終的な研究価値を判断する際に「世の中の役に立つかどうか」という視点が入らないことはまずあり得ません。これに対して、理学部の研究はもっと純粋に「自然科学の未解明な問題を探究する」という立場が多いと思います。工学部での学生時代を経た後、夢中で純粋な自然科学研究を続けた結果、今の私は理学部物理学科に所属しています。現在の私の研究は、1個1個の分子の性質が分かっていると仮定したときに、その情報だけから液体全体の性質を言い当てることができるかどうか、という理論に関するものです(これを液体論と総称しています)。たったこれだけの単純なテーマ設定でも、分かっていないことが数えきれないほどたくさん残っています。純粋な好奇心で自然科学の理解を深めることに興味があれば、きっと理学部はマッチしていると思います。愛媛大学理学部で夢中になれるモノを探しませんか?

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