未来の愛大生へ

2024.08.26
防災を主体的に学びませんか

二神 透 准教授

●地域協働推進機構 防災情報研究センター/社会共創学部 環境デザイン学科
●地域防災計画

近年の地球温暖化によって、雨の降り方が変わってきています。2014年(平成26年)8月の広島土砂災害以降、毎年のように豪雨災害が続いていますが、これは雨雲が列をなすように次々と発生し、ほぼ同じ場所に流入して大雨をもたらす「線状降水帯」の影響です。局所的な大雨から土砂災害や浸水害が多発し、多くの命が失われています。

加えて、地震への備えも必要です。日本は今、地震の活動期に入っており、いつどこで起きても不思議ではありません。首都直下型地震や南海トラフ地震の発生確率は、今後30年以内に70~80%といわれています。2024年(令和6年)8月8日には,南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発令されました。1週間後の8月15日に解除されましたが、必ず発生する地震ですので一人一人の備えが大事になります。

愛媛大学では、巨大災害に備えて、2015年(平成27年)より環境防災学という講義を開講し、防災士の資格取得を希望する学生を、他大学の学生も含めて受け入れています。これまで1,400人以上の学生が受講しています。一部の学生は、防災リーダークラブに所属して地域で活動しています。愛媛県内各地には今、高齢化が深刻になっている自主防災組織も多くあります。これは、愛媛大学で防災士の資格を取った学生たちを見ていて思うことですが、若い人たちが地域に入ることで、防災活動が活性化するだけでなく、地域自体も元気になってきていると感じます。

今後も、多くの学生防災士を育成するとともに、地域の防災力を高める活動を一緒に進めていきたいと思います。

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